適応行動を司る脳の単一学習則の提案と神経基盤検証
Publicly Offered Research
Project Area | Hyper-adaptability for overcoming body-brain dysfunction: Integrated empirical and system theoretical approaches |
Project/Area Number |
22H04766
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Complex systems
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
船水 章大 東京大学, 定量生命科学研究所, 講師 (20724397)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,890,000 (Direct Cost: ¥5,300,000、Indirect Cost: ¥1,590,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
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Keywords | 人工神経回路網 / 知覚意思決定 / 光遺伝学 / イメージング / マウス / 学習則 |
Outline of Research at the Start |
じゃんけんを例に考えよう.私達は,様々な戦略を脳内で保持し,次の一手を複雑に選択する.脳は複数の学習則を独立に保持するのか.それとも,脳には単一学習則が存在し,複雑な神経回路で行動を決定するのか.本研究は,マウスの行動実験や神経活動操作と計測,人工神経回路網 (人工知能:AI) での行動モデル化で,脳の行動戦略様式を検証する.本研究の達成は,脳の柔軟な適応行動の神経基盤解明につながる.将来は脳型人工知能の構築に貢献する.
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Outline of Annual Research Achievements |
脳は,単一の感覚刺激に対して複数の行動戦略を用意し,戦略を使い分ける.工学分野では,行動戦略は,経験に基づいて行動を決定するモデルフリー戦略と,感覚刺激から隠れ状態を推定し,行動を柔軟に変化させる推論戦略に区別できる.本研究課題は,モデルフリー戦略・推論戦略の「学習則」に注目している.マウスの神経活動を計測し,各戦略の学習則と脳活動の関係を精査する.なお,研究進捗の都合上,この概要では,本研究の詳細な目的や,対象の脳領野は記載しない.
研究代表者らは,各戦略を切り分ける行動課題「マルチタスク課題」を,他の研究課題から継続して実施してきた.同課題は,頭部を固定したマウスをトレッドミル上に設置した.様々な周波数の音刺激をマウスに提示した.マウスは,音刺激の周波数に応じて,左右のスパウトを選択し,報酬の水を得た.マルチタスク課題は,各試行の音周波数 (低,高) を状態遷移確率pで切り替えた.この遷移確率pで,マウスの行動戦略を切り分けた. この課題では,神経修飾物質の計測に向けて,ファイバーバンドルイメージングの導入を進めてきた.この手法は,GCaMPや,G-protein-coupled receptor-activation-based (GRAB) sensorsで,神経細胞の活動や神経修飾物質の変動を神経細胞集団の規模でイメージングできる.本研究は,4から6か所の脳部位の神経活動変化を同時計測する予定である.これまでに,計測系のセットアップが完了し,神経活動計測に必要なアデノ随伴ウイルス (AAV) を準備した.また,実際にマウスの脳部位にAAVを注入し,行動中のマウスで,神経修飾物質の変動を計測した.今後,マルチタスク課題時に,神経修飾物質を計測する.同物質の変動と,人工神経回路網の学習則を比較し,脳と人工知能の関係を検証する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
行動課題中の神経修飾物質の変動の計測に向けて,ファイバーバンドルイメージングのセットアップが完了した.行動中のマウスで,同物質の計測にも成功した.しかし,行動課題中の計測には至らなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
マルチタスク課題時のマウスで,神経修飾物質の変動を計測する.また,行動課題時のマウスの選択行動を,人工神経回路網のリカレントニューラルネットワークでモデル化する.神経修飾物質の変動と,人工神経回路網の学習則 (誤差信号) を比較する.脳と人工知能の関係を検証する.さらに,脳の学習に則した人工神経回路網の構築を目指す.
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)