Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
人間には,身体・脳の機能不全に際して,過去に獲得した神経回路を再利用して機能を適応的に回復させる能力があり,その適応過程(超適応)の理解が求められている.研究代表者はこれまでに,感覚情報間の部分的な因果関係の推定にもとづいた制御器の自動生成方法を提案しており,それをベースにした運動学習モデルを開発している.そのモデルを拡張し,実際の生物の運動における構造的変化(筋肉の再配置)への適応過程との関連を検証する.
人間には,身体・脳の機能不全に際して,過去に獲得した神経回路を再利用して機能を適応的に回復させる能力があり,その適応過程(超適応)の理解が求められている.このような,運動制御に関する情報の再利用をともなう適応過程を説明可能な運動学習モデルを開発することが人の運動学習過程の理解とリハビリへの応用の両面から求められる.本研究では,フィードバック型の制御とフィードフォワード型の制御の両方の要素も含み,徐々にフィードフォワード型の制御へと移行する形で筋シナジーに相当する情報を獲得する運動学習モデルを提案する.これにより,筋骨格系における筋シナジーの再利用過程を表現できる運動学習モデルを提案する.2023年度は,トルク駆動を行う2自由度の上肢モデルおよび,2関節6筋肉からなる筋骨格モデルの二種類のモデルにおいて,漸進的なフィードフォワード型の制御の獲得モデルを提案し,筋シナジーの獲得過程を検証した.フィードフォワード型の時系列制御信号を生成するモデルとして,状態非依存型の強化学習をベースとしたフィードバック制御からフィードフォワード制御の漸進的な獲得モデルを構築し,その運動学習能力を検証した.トルク制御型の上肢モデルにおいては,繰り返し運動を行う過程で,学習対象区間を漸進的に変更しながら長い時系列の運動を獲得させるモデルを提案し,学習能力・効率を向上させられることを確認した.2関節6筋肉モデルにおいては,筋シナジーに相当する筋活動の時系列信号を生成できることを確認した.また,運動制御情報の再利用モデルについて,これまで提案した再利用のための変換モデルをさらに発展させ,「単純な変換を発見する」という最適化原理を用いた変換推定方法が運動知識の再利用において頑健に機能することが確認された.
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2024 2023 2022 Other
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results, Open Access: 1 results) Presentation (6 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results, Invited: 1 results) Remarks (2 results)
Journal of Robotics and Mechatronics
Volume: 34 Issue: 4 Pages: 786-794
10.20965/jrm.2022.p0786
https://sensor.eng.shizuoka.ac.jp/~koba/previous_research/research_j.html#hyperadapt