Interregional brain network dynamics regulating hyper-adaptation from fear-memory induced maladaptation.
Publicly Offered Research
Project Area | Hyper-adaptability for overcoming body-brain dysfunction: Integrated empirical and system theoretical approaches |
Project/Area Number |
22H04779
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Complex systems
|
Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
宮脇 寛行 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 講師 (40785979)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
|
Keywords | 神経生理学 / 大規模電気生理学 / 記憶 |
Outline of Research at the Start |
動物は強い恐怖を経験することで、その記憶のために適応的な行動が取れない不適応状態に陥る。不適応状態への遷移後、安全な環境下で類似した状況に繰り返し遭遇すると、恐怖の記憶はとどめているものの適応的な行動を回復する超適応が見られる。本研究では光遺伝学を応用し、速い脳波オシレーションを介した脳領域間情報伝達への経路選択的な介入を行う。さらに、この介入が引き起こす影響を多領域同時・大規模電気生理学や動物行動学を組み合わせることで評価し、恐怖記憶からの超適応を支えるネットワーク変化とその制御機構を明らかにする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
強い情動をともなう経験をした動物は、その恐怖の記憶により適応行動をとれなくなる不適応状態を起こすが、その後、安全な環境で恐怖を想起させる刺激にくり返し暴露されることにより、恐怖の記憶を留めつつも適応的な行動が回復する超適応が誘導される。このような恐怖記憶に関連した超適応は、恐怖記憶の消去学習と呼ばれている。 恐怖記憶に関わる不適応や超適応には、扁桃体、腹側海馬、前頭前野など複数の脳領域が関与していることが知られている。しかし、これらの脳領域における局所および領域間ネットワークの変化はまだ十分に理解されていない。そこで本研究では、この点を明らかにするためラットにおける恐怖条件付学習とその消去学習の際の神経活動を多領域同時・大規模電気生理学を用いて記録し、恐怖条件付け学習、消去学習、消去学習の保持テストを通じた神経細胞アンサンブル活動のダイナミクスを解析した。 その結果、すべての行動課題を通じて活動が見られる神経細胞アンサンブルが多数見られる一方で、消去学習中に新しく出現し、消去学習の保持テストまで持続される神経アンサンブルも存在することが明らかとなった。特に、前肢皮質では、消去学習時および消去学習の保持テスト時に活性化したアンサンブルが、消去学習前の睡眠時にすでに活動していることが明らかになった。恐怖記憶の消去学習を支える局所的・大域的ネットワークの動態を明らかにするためには、今後、さらなる研究が必要であると考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題において解明したいポイントの一つが、恐怖記憶の消去学習にともない、何がどのように変化しているのか、という点である。本年度の研究により、消去学習が引き起こす変化を神経アンサンブル活動の動態として捉えつつある。とくに、大脳皮質前頭前野では消去学習にともない観察されるようになる神経細胞アンサンブルが、学習前から生じているという、興味深い結果が得られている。 以上のことから、本研究はおおむね順調に進展していると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、不適応状態からの超適応にともなう脳領域横断的な同期活動の変化に焦点を当て解析をすすめる。具体的には、恐怖条件付け学習や消去学習の際に見られた神経細胞アンサンブルの活動が、消去学習後いつまで活動が見られるかという「アンサンブル活動の動態」と、他の脳領域のセル・アンサンブルとの同期活動との間に相関が見られるか否かを解析する。
|
Report
(1 results)
Research Products
(3 results)