Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究では、神経特性個人差を考慮したテイラーメードなニューロフィードバック系を実装し、個々人に適した神経活動が自然と促される訓練環境を構築する。さらに、このような神経活動の変調に伴って、健常若年者や健常高齢者の認知機能(注意制御能力)や運動機能(運動制御・運動学習能力)が効率的に向上することを示す。最終的には最大限のニューロフィードバック訓練効果を得るための、個々人が獲得すべき神経回路を予測する数理モデルを提案を目指す。
本研究では,これまで確立してきた低次感覚野活動に基づくニューロフィードバック技術を用い,注意機能向上に有効なテイラーメード訓練システムの確立を目的とした.提案システムでは,空間的注意を訓練する目的として,SSVEPによるニューロフィードバック訓練を実施した.5日間のニューロフィードバック訓練に関して,訓練側である左視野刺激に対する右視覚野の応答が増幅した参加者4名と,減少した参加者2名に分かれる結果となった.さらに,このような視覚野の応答変調に際して,実際に注意機能の向上が実現するのかを評価するため,GoNogo課題を実施した.その結果,視覚野の応答変調に成功した訓練者においてのみ反応時間の短縮が認められ,本提案システムが空間的注意機能向上に有効である可能性が示唆された.本研究において訓練者の注意状態を推定するために用いるSSSEPは一定の周波数を持つ振動刺激に誘発される律動的脳波である.このSSSEPを誘発するために用いられる機械振動刺激として,数百Hzの高周波(搬送周波数)の振動をAM変調させることで数十Hzの振動を生成・提示する手法がある.様々な搬送周波数を設定したうえでSSSEP応答の変化を確認した.その結果,搬送周波数を160Hzから10Hz刻みで100Hzまで変化させた際,本実験で利用している振動素子の特性上,搬送周波数を下げるほど刺激強度が弱まるにもかかわらず,160~120Hzの帯域では同等の応答強度が保持された.これは,160Hzよりも低い周波数帯域において反応しやすい(反応閾値が低い)マイスナー小体の特性を反映していることを示唆する.つまり,SSSEPを用いてニューロフィードバック訓練を行う際,このような搬送周波数の最適化を行うことでより頑健に効果を得られる可能性があることを意味する.
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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https://www.seikei.ac.jp/university/rikou2022/mirai/article4.html