Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究では、植物の細胞内で鉄の過不足を感知するセンサー分子の候補であるイネの HRZ タンパク質について、鉄の感知機構の実体を明らかにすることを目指す。具体的には、鉄や亜鉛により HRZ タンパク質の機能がどのように変化するかを分子レベル・個体レベルで明らかにすることを目指す。さらに、HRZ タンパク質の構造と各ドメインへの金属結合状況を調査し、それらの鉄・亜鉛環境による変化を明らかにすることを目指す。
イネのHRZ(OsHRZ1、OsHRZ2)のN末端側のヘムエリスリンドメインを全て欠失したHRZは、完全長と同様に亜鉛との結合により自己ユビキチン化活性が増大することが示唆された。ゲノム編集でOsHRZ1、OsHRZ2 のC末端側の4種のドメインのそれぞれに変異を導入したイネ系統のうち、6種類のホモまたはバイアリルの変異を持つ非形質転換系統を確立した。これらのうちOsHRZ1に変異を持つ系統はいずれも、合成培土で生育させると玄米中に野生型イネの約2~3倍の鉄を蓄積した。また、鉄欠乏水耕栽培および石灰質土壌のポット栽培で顕著な鉄欠乏耐性を示した。一方、OsHRZ2に変異を持つ系統はいずれも、玄米中に野生型イネの約1.2~2倍の鉄を蓄積した。また、鉄欠乏水耕栽培で若干の鉄欠乏耐性を示した。以上の結果から、鉄または亜鉛と結合するCTCHY Zn-fingerドメイン、RING Zn-fingerドメイン、Rubredoxin-type foldはいずれもOsHRZ1、OsHRZ2の機能に必須であることが示された。HRZプロモーターの制御下でOsHRZ1と beta-glucuronidase (GUS) との融合タンパク質を発現させる形質転換イネを鉄欠乏で水耕栽培したところ、ヘムエリスリンドメインを全て欠失したOsHRZ1を導入した1系統のみ鉄欠乏感受性を示した。また、GUSの酵素活性は幼植物体で検出されたが、成植物体では顕著な活性は検出されなかった。以上の結果から、OsHRZ1はイネ体内で非常に分解されやすく、その分解活性は金属結合ドメインと成長段階または組織に依存していることが示唆された。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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植物の生長調節
Volume: 58 Pages: 40-46
北陸経済研究
Volume: 520 Pages: 32-33
化学と生物
Volume: 61 Pages: 237-245
The Plant Journal
Volume: - Issue: 6 Pages: 1731-1750
10.1111/tpj.15767
Rice
Volume: 15 Issue: 1 Pages: 54-54
10.1186/s12284-022-00598-w
生物工学会誌
Volume: 100 Pages: 318-318
https://ishikawa-pu-pct.sakura.ne.jp/