Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
モデルベース回想法は,ユーザ個人の記憶をモデル化することによるメンタルケアの手法である.モデルは,人間の脳の構造を模したソフトウエアアーキテクチャ(認知アーキテクチャ)上に構築される.既知の記憶の特性をもとに,写真を検索し,ユーザに提示する.検索のパラメータはユーザからのフィードバックによって調整される.モデルベース回想法による写真提示は,ユーザのストーリーテリングを促す効果がある.本研究計画では,この枠組みの完成度を向上し,社会に受け入れられるための開発と実践に取り組む.具体的には,音声フィードバックの実現,ロボットへの実装,オンライン実験,フィールド実験の4項目に取り組む研究である.
本研究は,対話的モデルベース回想法の自然さを高め,実践的な有効性を検証するものである.モデルベース回想法は,記憶のモデルを活用したメンタルケアである.ユーザの保有する写真ライブラリに対して,心理学的な理論 (ACT-R) に即した写真の検索を行う.このプロセスを対話化するために,検索された写真の観察時に発生する語り(ストーリーテリング)から,検索のパラメータを調整する.これによってユーザの精神状態をモニタリングしつつ,ユーザの記憶想起(語り)をガイドする写真提示を実現する.このようなシステムは,本課題が属した対話知能学領域の掲げる「人と社会的に共生する対話システムのための行動決定モデル基盤技術の確立」という目標に沿ったものである.本研究ではこの領域の目標のもと,人間にとって自然な対話的モデルベース回想法の形態を検討した.2023年度は,上記の目的を達成するために,対話的モデルベース回想法の構成要素である音声インタフェースと身体インタフェースの実験的検証を実施した.音声インタフェースは,写真提示中の発話に含まれる韻律や単語からユーザの感情状態を推定し,モデルパラメータに反映するものである.この機構に関するオンライン実験の結果,音声インタフェースを利用した対話的モデルベース回想法がユーザの自然な回想を引き出せることを確かめた。他方の身体インタフェースは,発話中に現れる単語イメージに基づき、ロボットにジェスチャーをさせるものである.2023年度はこの機構と心理学的な記憶のモデルであるACT-Rとの統合をテストした。提案機構では,身体に残存する単語のイメージが,記憶のモデルにおける単語の検索に影響する.これにより認知と身体のインタラクションを表現できる.この仕組みに基づくロボットの動作のデモンストレーションを,日本科学未来館などのフィールドにて展示し,テストした.
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2024 2023 2022
All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results, Open Access: 1 results) Presentation (6 results)
Frontiers in Robotics and AI
Volume: 11
10.3389/frobt.2024.1362463
2022 10th International Conference on Affective Computing and Intelligent Interaction (ACII)
Volume: - Pages: 1-8
10.1109/acii55700.2022.9953877