在宅高齢者のライフヒストリに沿った会話が可能なロボットシステム
Publicly Offered Research
Project Area | Studies on intelligent systems for dialogue toward the human-machine symbiotic society |
Project/Area Number |
22H04867
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Complex systems
|
Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
野口 博史 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 教授 (50431797)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥9,750,000 (Direct Cost: ¥7,500,000、Indirect Cost: ¥2,250,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
|
Keywords | コミュニケーションロボット / 高齢者みまもり / LIDAR / 会話システム / 環境認識 / 高齢者対話 |
Outline of Research at the Start |
在宅高齢者に向けたロボットの活用として,見守りや会話を通じた介入などが期待されているが,長期に導入されるには至っていない.それらを解決するための技術要素として,住居高齢者の行動パターンなどを内蔵のセンサから自動的に把握し,適切なタイミングで話しかける機能や,居住者の過去の年代に合わせた会話を実現する機能の開発に取り組む.それらによって, 健康状態の聞き取りや長期的な利用,愛着をもって接することが可能な見守りロボットシステムを構築することを目指す.
|
Outline of Annual Research Achievements |
独居高齢者に対して,在宅見守りや会話を通じた介入のためにコミュニケーションロボットが期待されている.しかし,現在のロボットは愛着をもって長期導入されるには至っていない.その問題解決として,居住高齢者に沿って行動・会話することが可能になる見守りロボットの開発が目的である.具体的には生活パターンに即した適切な挨拶動作に基づく話しかけの実現,そして,高齢者の歴史に即した会話をすることで継続的な会話を行いつつ,見守りに必要な情報の聴取を行うことである. 本年度については,見守りロボットから生活パターンを検出するための要素技術として,ロボットに配置したLIDARから,居住者の位置や人物同定,行動推定を行う方法論に取り組んだ.具体的には,LIDARの輪郭から人領域と推定される点群の重心位置からの人物同定,また,その輪郭点群の時系列群をダイレクトにLSTMベースの深層学習手法へ導入することによる人物の推定,ならびに,自分を中心とした領域へと射影した画像を生成し,画像識別用の深層学習手法を援用する方法の2種のアルゴリズムを開発した.また,実験から,後者の画像生成に基づく手法,4人の内1名を同定する問題,また,歩行,立位,着座,扉開閉の動作推定問題において,性能がよいことを確認した. 会話技術に関しては,見守りに必要な情報聴取を目指して,雑談会話から適切なタイミングで,見守りの質問会話へと切り替えるための技術を開発した.具体的には,T5と呼ばれる文章生成の深層学習手法をベースに,転移学習させたモデルを用い,会話トピックに依存せず,抽象的に切り替えに適した生成単語系列を検出する方法を作成し,それに基づき,任意の雑談会話から,スムーズに質問したい会話文へと切り替える技術を開発した.また,生成した会話文に対しての心象実験を行い,統計的な有意はみられないものの自然さなどが上昇すること確認した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度については,ロボット内部のセンサからの居住者の位置や人物同定,行動推定を行う方法論について取り組んでいたが,そちらについては,実験室環境ではあるが,推定することができる手法を開発することができ,また,推定性能も9割を超える十分なものとなり十分なものであることを確認できている.また,次年度に向けた長期計測のための枠組みなどについても準備ができており,少し先行して進められている. 会話技術については,当初は高齢者の会話用のデータベースを存在するオープンなデータベースをもとに構築する予定であったが,利用にはデータが限られていることや体系的にデータを整理することの困難性や,また,ChatGPTなどを中心とした大規模言語モデルベースの方法が急速に発展していることから,方針を少し転換し,雑談などの部分は大規模言語モデル系の技術を利用しつつ,本来次年度に取り組む予定であった見守り会話へのスムーズな切り替えのための技術開発に取り組んだ.現状では,文字での会話文書生成にとどまり,ロボット会話にまで繋げられておらず,少し遅れている状況である.ただし,先の生活パターン計測の先行状態などと合わせると,比較的順調に進んでいると考えられる.
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度については,見守りロボットから生活パターンを検出し,適切な話しかけを実現するための技術開発を行う.具体的には,実験室環境で模擬的なデータ等を計測し,昨年度までの技術を利用し推定した位置情報や行動情報などをもとに生活パターンや滞留点などの検出技術を開発する.また,それらのパターンとの関係から適切な話しかけについての検出方法についても取り組む. 会話システムについては,現状,雑談会話生成や,見守り会話への切り替えなどが文章生成でしか実現できていないものをロボット会話へとつなげる取り組みを行う.また,今の一般雑談会話を,高齢者の過去の事例などに即した形で生成するための方法論についても取り組む.以上のシステム2つを統合し,見守りロボットとして統合する技術についても取り組む.
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)