Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究は,社会言語学・語用論・心理学に精通した研究者と,人間-機械インタラクションに精通した研究者とが協力し,人間と機械の親和的関係性構築に有効な談話レベルの言語的配慮を備えるこれまでにないコミュニケーション言語様式とそれに基づく対話システムを構築することを目的とする.言語の分野で行なわれてきた,「人が会話の相手と良好な関係性を構築・維持するための言語的配慮」と定義されるポライトネス理論とその談話レベルの相互作用を扱うディスコース・ポライトネス理論の蓄積されてきた知見を参照し,人間と機械が本当の意味で共生するために必要な言語的配慮を行う適切で親和性の高い自然な発話インタラクションを実現する.
本研究では,ディスコース・ポライトネス理論(DP理論)に基づくスピーチレベルシフトによる親和性の高い対話システムの開発を目的としており,2年間の研究期間内に,(1) DP理論に基づく親密化のための言語的配慮を行う対話行動決定モデルの構築,(2) BTSJ自然会話コーパスに基づき対話相手の属性,関係性,シチュエーションに応じた言語的配慮を行う対話システムの開発と言語的配慮効果の実証実験,(3) 言語的配慮を行う対話システムと人の親和性に関する比較文化調査,を行うことを目標とした.(1)の成果として,対話する相手の推定された年齢・性別・性格・表情・文化などの属性と会話の反応に応じて,話のレベルや丁寧さを調節し,敬語・友達口調などを駆使して話す,言葉の配慮を備えた対話システムを構築した.(2)の成果として,ユーザの年齢に応じて適切な丁寧体率を算出し,システムのスピーチレベルを決定し返答を行うシステムをアンドロイドIに実装し,その実証実験を日本科学未来館において行った.今年度は110名(2年間で254名)を対象に実験を行い,事前事後アンケートの比較から,スピーチレベルの制御が対話相手の受容性を向上させる可能性や対話相手のスピーチレベルシフトを誘発する可能性が示された.(3)の成果として,海外と日本の言語的配慮の受容性の文化差を日本,アメリカ,イギリス,オーストラリア,フランス,中国の6カ国1800人(有効参加者1372人が参加)のオンライン動画アンケートにて調査を行った.調査の方法として,クラウドソーシングサービスSurveyMonkeyを用いて実験参加者を募り,オンライン上で質問紙調査を実施した.擬人化エージェントとの対話において,Distance(社会的距離)やPower(力の量)をもとに適切に選択された発話方略も,別の文化圏では受容性の低い発話になる可能性が示された.
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2024 2023 2022
All Journal Article (3 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Peer Reviewed: 3 results, Open Access: 2 results) Presentation (7 results)
Advanced Robotics
Volume: 38(4) Issue: 4 Pages: 226-245
10.1080/01691864.2024.2321173
Journal of Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics
Volume: 35 Issue: 3 Pages: 731-735
10.3156/jsoft.35.3_731
知能と情報
Volume: -