Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
淡水環境中どこにでも見出すことができる単細胞原生生物アカントアメーバは、その内部にヒト病原菌レジオネラを始めとして多様な種の細菌を寄生・共生させることが知られていました。さらに、近年のアカントアメーバを宿主とする巨大ウイルスの発見は、アカントアメーバが寄生・共生微生物の進化の揺籃となったことを示唆しています。この研究では、これまでに研究代表者が行ってきたアカントアメーバ寄生・共生微生物・ウイルスの探索を、培養不能の未知の微生物探索に最適化させていくことにより、新たな「ポストコッホ型」微生物を単離・解析することを通じて、広く微生物の理解を進めます。
計画研究班によるメタゲノム解析により、本領域モデル圃場土壌中に多くのパンドラウイルスが存在することが予想されたため、パンドラウイルスの物理的性状を利用し、パンドラウイルスに特化したスクリーニング法を確立した。この方法を用いて実際にスクリーニングを行った結果、本領域モデル圃場土壌中からこれまでに8株の新規パンドラウイルス(PK株群)を単離することができた。前年度までに確立していたゲノムDNA調製法を用いてゲノムDNAを分取して、次世代シーケンシングによりすべての完全ゲノムを決定した。本領域モデル圃場以外から分離・解析していたP46株はパンドラウイルスクレードAに属しており、Pandoravirus dulcis Melbourneに非常に近縁(ANI 99.1%)であることを報告していたが、本領域モデル圃場から同定した8株はパンドラウイルスクレードBに属しており、互いに近縁であったが、既知のパンドラウイルス株との間のANI(Average nucleotide identity)は最大でも85%にとどまり、今回単離したグループの新規性が示唆された。今回の解析により、これまでゲノムが報告されているパンドラウイルス株全数と同等程度の新規パンドラウイルスを単離・解析できたことになる。この結果は、パンドラウイルスが持つ特異な物理的性状などにより、既存の研究は自然界に存在するパンドラウイルスを量的に過小評価していることを示唆している。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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