Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
量子重力理論の構築は現代物理学の最大の課題の一つである。時空の創発は量子重力理論の本質的な性質であると考えられており、量子エンタングルメントから時空が創発するという考え方が認知されつつある。ゲージ重力対応は時空の創発を具現する典型的な例である。本研究は、ゲージ重力対応において、くりこみ群に基づいて連続的なテンソルネットワークを構成することにより、量子エンタングルメントによる時空の創発の機構を明らかにして、量子重力理論の構築へ向けて前進することを目的とする。
時空の創発は量子重力理論の本質的な性質であると考えられる。ゲージ重力対応は時空の創発を具現する典型的な例である。MERAやHaPPYコードやランダムテンソルネットワークなどのテンソルネットワーク模型におけるネットワークは、ゲージ重力対応において境界上の理論から量子エンタングルメントを通じて創発した離散的な空間であると解釈されるため、これらの模型は時空の創発の研究において重要である。MERAにおけるネットワークの階層はくりこみ群のスケールと解釈され、ゲージ重力対応においてはこれがバルクの方向に対応する。また、バルクの演算子を境界上の場の量子論の演算子で表現しようとしたとき、量子誤り訂正の構造が必要であることが知られている。実際、HaPPYコードは量子誤り訂正符号と見ることができる。これらのことから、くりこみ群と量子誤り訂正の関係が示唆される。ここでは、相互作用を含むスカラー場理論においてくりこみ群によって量子誤り訂正が実現されること見た。qレベル系をコヒーレント状態を用いて赤外領域で構築し、基底状態のくりこみ群の流れを記述するユニタリー演算子の逆を作用することにより、これらの状態を紫外領域で符号化した。こうして得られるコード部分空間はコヒーレント状態を生成する演算子による誤りに対して耐性があることを摂動の1次までで示した。この結果は、くりこみ群と量子誤り訂正の間の一般的な関係を示唆し、ゲージ重力対応におけるそれらの役割に対して知見を与えると期待される。。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Progress of Theoretical and Experimental Physics
Volume: 2023, 033B03 Issue: 3 Pages: 1-12
10.1093/ptep/ptad029
https://wwp.shizuoka.ac.jp/tsuchiya/