Entanglement structure and information scrambling in inflationary models
Publicly Offered Research
Project Area | The Natural Laws of Extreme Universe--A New Paradigm for Spacetime and Matter from Quantum Information |
Project/Area Number |
22H05257
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (II)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
南部 保貞 名古屋大学, 理学研究科, 准教授 (40212112)
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Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | インフレーション / 量子操作 / 古典化 / スクランブリング / 量子もつれ / 量子チャンネル / Hawking輻射 / 情報量 / インフレーション宇宙 / 量子ゆらぎ / 情報スクランブリング |
Outline of Research at the Start |
量子もつれの効果を取り入れた確率的インフレーション宇宙の量子ビットモデルを提案する.このモデルを用いて,インフレーション宇宙における量子もつれ構造の進化,情報スクランブリングについての解析を行うことで,宇宙の進化における量子もつれの役割を理解する.そして量子 的インフレーション宇宙の解析を通して「重力」,「量子もつれ」,「情報」の関係性を明らかにする.また量子ホール系を用いた非一様量子宇宙の実験提案を行う.
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度行なった研究としては (1) インフレーションのビット模型を構築するために,まず古典ビット模型の整備を行なった.宇宙膨張と古典ノイズを取り入れた古典チャンネル模型を用いて,ビット間の相互情報量がどのように変化してゆくかを考察し,いくつかの具体的な数値計算を実行した.また,量子ビット模型において宇宙膨張並びにそれに伴う量子もつれ変化を表現するクラウス演算子の構造を絞り込む考察を行なった. (2) 量子もつれの消失現象を量子ホール系を用いて実験するための理論評価を行なった.膨張するエッジ領域を持つ系に対して,(1+1)次元の量子場に対する局所演算子を導入し,2つの局所演算子間の量子もつれがどのように時間発展するかを具体的に評価した.この状況はインフレーション膨張する宇宙での粒子生成ならびに量子ゆらぎの振る舞いを再現する,局所演算子間のネガティビティを数値的に評価し,cosmological horizonの存在に付随するHawking輻射の確認,並びにその輻射による量子もつれ消失が起こることを確認した. (3) 重力相互作用における量子性の性質を調べるため,量子力学的重ね合わせ状態にある重力源(質点)の及ぼす重力が内部自由度を持つプローブ粒子との間にどのような量子もつれ構造を生み出すかを考察した.結果として,プローブ粒子の重心自由度,内部自由度,外部重力源との間に3体量子もつれが形成されることを見出した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
(1) インフレーションのビット模型を構築するために,まず古典ビット模型の整備を行なった.宇宙膨張と古典ノイズを取り入れた古典チャンネル模型を用いて,ビット間の相互情報量がどのように変化してゆくかを考察し,いくつかの具体的な数値計算を実行した.また,量子ビット模型において宇宙膨張並びにそれに伴う量子もつれ変化を表現するクラウス演算子の構造を絞り込む考察を行なった.ビットモデル構築にあたり,その時間発展のルール(量子状態の変化)をどの程度一般的に記述するかの部分に手こずっている. (2) 量子もつれの消失現象を量子ホール系を用いて実験するための理論評価を行なった.膨張するエッジ領域を持つ系に対して,(1+1)次元の量子場に対する局所演算子を導入し,2つの局所演算子間の量子もつれがどのように時間発展するかを具体的に評価し,Hawking輻射による量子もつれ消失が起こることを確認した.
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Strategy for Future Research Activity |
量子ビットモデルを用いて,初期に用意した情報量の時間発展の様子を解析する.具体的には指定した2 qubitの対象系とそれ以外のqubit (環境系)の間で,情報量の共有のされ方がどのように変わっていくかを評価する.情報量の指標としては環境系の部分系を定義し,その部分系の大きさによって対象系と環境系間の相互情報量がどのように変化するかを見る.この指標は,環境系が保持する対象系の情報量に対する「冗長度」を与え,環境系の部分系の大きさに対する変化の仕方を観測することで,対象系と環境系間の情報の共有構造が得られる.この指標の振る舞いとOTOCの振る舞いとの関係を考察し,このモデル宇宙における情報拡散並びに古典性の出現について議論する.
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)