Generation of graph states using cold Rydberg atoms and the application to measurement-based quantum computation
Publicly Offered Research
Project Area | The Natural Laws of Extreme Universe--A New Paradigm for Spacetime and Matter from Quantum Information |
Project/Area Number |
22H05267
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (II)
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Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
富田 隆文 分子科学研究所, 光分子科学研究領域, 特任助教 (50846392)
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Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥7,800,000 (Direct Cost: ¥6,000,000、Indirect Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
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Keywords | 原子分子 / 量子エレクトロニクス / 冷却原子 / 光ピンセット / 量子計算 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、量子計算のリソースとして重要な「グラフ状態」と呼ばれる多体エンタングルメント状態を、冷却リュードベリ原子が持つ相互作用を用いて、自然な時間発展により生成する実験を行う。光ピンセット配列中に捕捉された冷却ルビジウム原子を、パルスレーザーにより励起し、原子間に長距離相互作用を誘起することで、原子配列に対して一斉に大規模なエンタングルメントを生成しグラフ状態を作る。グラフ状態生成に最適な電子状態や状態操作、グラフ形状を明らかにする。さらに、個別にアドレス可能な1量子ビットゲート操作および個別原子観測を実装し、生成した状態の忠実度を検証するとともに、測定型量子計算への応用可能性を探る。
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Outline of Annual Research Achievements |
コヒーレンス時間の長い電子スピン状態(超微細構造状態)に量子情報を埋め込んだスピン量子ビットと、コヒーレンス時間は短いが原子間相互作用が存在するリュードベリ状態を含む軌道量子ビットとの間の切り替えを行う技術を開発した。リュードベリ状態へと励起するために照射するパルスレーザーのバンド幅をスピン量子ビットのエネルギー差よりも小さくすることで、状態識別をしたうえでリュードベリ状態へと励起することが可能となった。これは、長寿命な大規模エンタングルメントを生成するための基盤技術となる。 また、リュードベリ状態へと原子を一斉励起した後に生じるリュードベリ原子間の相互作用が、次近接以降の原子に及ぼす影響を定量的に評価した。これによって、測定型量子計算を実現するうえで次近接以降の相互作用が無視できない影響を与えることが明らかになった。 測定型量子計算の要素技術である量子ビットの非破壊測定について、これまでに状態測定に用いていたEMCCDカメラよりも読み出しノイズが小さいとされるCMOSを導入し、原子の蛍光観測におけるノイズの定量評価を行った。その結果、適切な興味領域を設定することにより、EMCCDと比べて半分程度にノイズが低減されることが確認された。これは状態測定時間を半分程度にまで低減させることができることを意味しており、原子に照射する近共鳴光によって生じる加熱が甚大になる前に、測定を完了することができる可能性を示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の計画通り、軌道量子ビットとスピン量子ビットの間の切り替え技術の確立に成功した。当初予定していた3体以上のエンタングルメント状態の生成には至っていないが、その代わり次年度に予定していた測定型量子計算への応用研究に着手し、次近接以降の相互作用が測定型量子計算に及ぼす影響を評価したことに加えて、非破壊測定についてノイズと測定時間の定量評価を行った。 したがって、総合的にはおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度の研究により、パルスレーザーを用いたリュードベリ状態への一斉励起を素朴に実行すると、量子計算において無視できない量子状態の誤差が生じることが明らかになった。今後は、一斉励起で実現される量子状態で実現可能な量子計算の検討および誤差を補正するプロトコルの探索を進めるとともに、誤差が生じにくい連続波レーザーを用いた励起についても並行して検討する。 具体的には、1.パルスレーザーでの励起で実現される量子状態を用いて、1次元的な測定型量子計算を行うと仮定し、理想的なグラフ状態からの誤差と量子計算に累積される計算誤差の関係を明らかにする。2.ダイナミカルデカップリング等のパルス制御により次近接相互作用を打ち消す手法を検討する。3.連続波レーザーによるリュードベリ励起を実現し、その忠実度を評価する。そのうえで、2量子ビットゲート操作を実現する。その後、3量子ビット以上に拡張する。以上を組み合わせることにより、最低3量子ビットでのミニマルなグラフ状態生成及び観測を実現する。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)