Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
AlSi10Mg/SiC複合体をモデル材料として,複合粉体(出発)においてSiCの粒度および体積率を変化させレーザ粉末床溶融結合法を実施する。ここでは金属粉体(Al)とセラミックス粉体(SiC)でのレーザ吸収率の大きな差異(AlSi10Mg:0.07 SiC:0.78)を起点した超温度場生成に由来した複合粒子間における界面反応を律速した非平衡組織形成(SiC/Al4SiC4ハイブリッド相)を図る(セラミックス形成を促進し,Alはそれを促進・緻密化するための媒介の役割として転化)。並行して有限要素解析(計算)・機械学習も援用して温度解析およびプロセスと組織形成をリンクする作用機構を解明する。
本研究ではAl-10Si-0.35Al(wt%)(AlSi10Mg)-SiC(0~20vol%)複合体をLPBFで製造した。本複合粉体は両者でレーザ吸収率が異なり,SiC粒子がAl粒子(マトリックス)に比べて昇温化し溶融池自体を昇温化される事が推察される。そのために,この複合粉体由来で(ア)溶融地自体がより昇温化され固液界面で高い温度勾配が生成する点,および(イ) SiC粒子界面で局所に高い負の温度勾配が生成する点が期待でき,特異な温度場が生成される事が期待される。(ア)について,溶融池は平均で1500℃以上の温度までに昇温される事が計算結果より明らかとなった。製造された複合体の組織においてもSiC粒子を複合化した造形体にてαAl柱状晶は強い<001>結晶配向を呈すことが観察されており,これは溶融池における温度増加に伴う固液界面での高い温度勾配,もしくは凝固速度の低速化に起因して<001>の結晶配向性が強くなった事が推察される。他方で上述した(イ)について,興味深い事にSiC粒子界面周辺ではランダムな結晶配向で等軸状の結晶粒組織を呈していることが観察された。一般的な凝固過程(液相で温度が高く,固相で温度が低い状態)で凝固は平滑界面成長が支配的に起き,デンドライト凸部が形成されても先端は過冷が小さく成長速度は平滑部より遅く平滑性は安定される。一方で温度分布が逆の場合(負の温度勾配),結晶成長において固液界面の平滑性は保てずデンドライト凸部での過冷度は大で固液界面の安定性は乱れる事が知られている。この点からも,SiC粒子界面近傍では離れた内部の状態とは異なることが明らかとなった。これらの結果はSiC粒子を複合化した複合粒子を起点とした温度場を制御する事が可能であり,結晶成長の配向性およびランダムな等軸組織形成の両面から組織制御できる可能性を見出すことができた。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Journal of the Japan Institute of Metals and Materials
Volume: 87 Issue: 12 Pages: 319-326
10.2320/jinstmet.J2023016
MATERIALS TRANSACTIONS
Volume: 64 Issue: 6 Pages: 1125-1134
10.2320/matertrans.MT-ME2022003
https://www.eng.kagawa-u.ac.jp/~matsu_h/