Solution chemistry dependency on fluid-rock reactions within subduction zones and its hydrological responses
Publicly Offered Research
Project Area | Science of Slow to Fast Earthquakes |
Project/Area Number |
22H05295
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (II)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡本 敦 東北大学, 環境科学研究科, 教授 (40422092)
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Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥9,880,000 (Direct Cost: ¥7,600,000、Indirect Cost: ¥2,280,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
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Keywords | 沈み込み帯 / 流体 / 地殻ーマントル境界 / シリカ / 交代作用 / 溶液組成 / 緑泥石化 / 滑石 / 二酸化炭素 / 岩石ー流体反応 / 水熱反応実験 / スロー地震 / シーリング |
Outline of Research at the Start |
プレートの沈み込み境界の流体は多様な元素をイオンや錯体として含んでおり,鉱物の溶解・析出を引き起こす。しかし,岩石―流体反応が断層の水理学的・力学的特性や地震発生過程に与える影響はまだよくわかっていない。本課題では,スロー地震との関連が指摘される高圧変成帯の特徴的な岩石-流体反応(鉱物脈形成,交代作用)に着目し,流通式水熱反応実験により,元素移動や空隙構造・固体体積の変化を伴う反応進行の素過程とミクロな構造形成,それによる水理学的挙動の変化を明らかにする。また,鉱物―溶液平衡計算を軸に,天然組織と実験を結びつけ,沈み込み帯の地震現象に対する流体の化学的な役割について検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
沈み込みプレート境界に沿って溶液組成がどのように変化をするかを明らかにするために、沈み込みプレート境界に沿った地化学モデリングを行った。特に、地殻ーマントルの物質境界での交代作用に着目し、地殻岩石(泥岩)に平衡な溶液とマントル岩石と反応させるモデル、マントル岩石と平衡な溶液を地殻岩石に反応させるモデルについての解析を行った。その結果、冷たい沈み込み帯では地殻からマントルへSiが移動するシリカ交代作用が卓越するのに対して、暖かいプレートではMgの溶液濃度が上昇するためにマントルから地殻へのMg交代作用の影響が大きくなることを見出した。一方、三波川帯の蛇紋岩体と泥質片岩の境界で発達する反応帯について、主に、四国中央部についての岩石学的解析と物質移動解析を行い、マントルウェッジに近い条件において、蛇紋岩からのMgの移動による泥質片岩における緑泥石の形成が顕著に起こっていることを見出し、モデルとの整合性を確認した。Mg交代作用の重要性を理解するために、泥質片岩にMgCl2の溶液を流通させる実験を行い、泥質片岩の中の長石が選択的にMgに富むスメクタイトへと変化することを見出した。このスメクタイトは緑泥石の前駆体であると考えられる。同様の結果は、蛇紋岩と泥質片岩を接した実験でも観察された。さらに、軸圧下での反応ー透水の水熱反応装置を設計、開発することができた。 また、三波川帯の泥質片岩を母岩とする断層岩においても緑泥石形成を伴う流体反応が効果的に起こっていることを観察して、解析を進めている。 一方、地殻におけるシリカについては、花崗岩石を基盤として、流路に沿って亜臨界から超臨界条件へと温度を上昇させる流通実験を行い、溶解から析出へ転じる場所で核形成も経由したアモルファスシリカや石英の析出が起こり、亀裂を閉塞しやすいことを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
沈み込み境界に沿っての岩石との反応による溶液組成の変化を予測する地化学モデルを進めることができている。また、スロー地震の発生領域とも対応できる地殻ーマントル境界の物質移動について天然から制約を与えることができている。緑泥石に関する実験、シリカ析出実験は順調に進んでおり、また、予定していた実験装置の設計開発は成功している。以上のことから、概ね順調に進展している、と言える。
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Strategy for Future Research Activity |
Mg交代作用による緑泥石生成実験に関して、より系統的な反応実験を行い、長石の置換やAlの移動度などのその反応進行の素過程を明らかにする。また、新しく開発した軸圧制御型の反応装置を用いて、その反応が力学的に与える影響を検討する。地化学モデルに関しては、MgとSiの相対的な移動度に関して、温度、圧力、pH,CO2などんさまざまな要因について検討する。 シリカの析出に関しては、X線CTを用いて、溶解・析出と亀裂間隙構造の関係について詳細な解析を行い、亀裂の閉塞過程をモデル化する。実際の閉塞について流体圧の変化をモニターしながら、ダイナミックな現象を検討する。 地化学モデリング、天然の変成岩の解析、実験を統合して、沈み込み帯の沿った溶液組成の変化と、物質移動を伴う反応、阻止sてそれがプレート境界に与える影響について考察する。
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Report
(1 results)
Research Products
(22 results)