Does slow earthquakes trigger subduction zone megathrust earthquakes? : Evaluation based on shear stress-controlled double direct shear friction experiments
Publicly Offered Research
Project Area | Science of Slow to Fast Earthquakes |
Project/Area Number |
22H05320
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (II)
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
谷川 亘 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(高知コア研究所), 主任研究員 (70435840)
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Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | スロー地震 / 摩擦 / 断層 / 複合面構造 / 摩擦係数 / 幾何特性 / 主成分分析 |
Outline of Research at the Start |
2011年東北沖地震の本震前にスロー地震が発生した。この観測結果はスロー地震が巨大地震の引き金となる前兆現象である可能性を示唆し、スロー地震発生に伴う震源域への応力載荷というメカニズムで説明できる。しかし、その真偽は定かではない。そこで本研究は、複合面構造をもつ断層を模擬した摩擦実験で偶然に観察された「断層転移」(2つの弱面が存在する断層に対して同時に剪断応力を加えると、はじめ片方の断層のみが動き出すが、途中で最初に動いていた断層が止まり別の断層がすべり出す現象)に着目し、「断層転移」と「スロー地震誘発説」との類似性を明らかにし、スロー地震が巨大地震を引き起こす可能性とメカニズムを評価する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、関連性の高い以下の研究を実施した。①異なる2つの砂の滑りにくさを摩擦試験装置を用いて競わせた学術イベント「すべらない砂甲子園」の勝敗結果、および「かき殻石灰砂」が優勝した原因を明らかにするために「すべらない砂甲子園」で取得した力学データと出場した砂の幾何学的・鉱物学的特性を整理して主成分分析をにより考察を行った。②(「すべらない砂甲子園」と同等の剪断すべり条件である)近接する2つの断層面に同時に剪断応力を与えたときの各断層のすべり挙動を評価する試験装置の開発を行った。 ①勝ち上がっていく砂(すべりにくい砂)は相対的に動摩擦係数が高いことが分かった。また、自然砂と比較して人為的に砕いた砂のほうが高い摩擦係数を示し、比表面積、凹凸度、粒度分布の分散が大きい砂が高い摩擦係数を示すことが分かった。 ②回転剪断式摩擦実験装置の試料アセンブリを改造した。各断層の動きを測定するために電磁誘導式アブソリュートエンコーダーを2つ設置した。計測した回転数の精度向上のため、SSI形式の出力信号をPLCで記録した。2つの断層両方ともに石英砂を用いて実験した結果、2つの砂が同時にすべるのではなく、片方がすべっている時はもう片方の砂が止まる(交互にすべる)挙動を示した。また、2つの断層に異なる砂をはさんで実験した結果、使用する砂により特徴が大きく異なることが分かった。例えば、温泉沈殿物と堆積岩を粉砕した砂を用いた実験では、剪断応力をかけ始めた時は温泉沈殿物が速く(すべり量が大きい)すべっていたが、途中から堆積岩がよりすべり、最終的に温泉沈殿物のすべりはほぼ停止し、堆積岩のすべりが卓越した。回転速度一定実験とトルク制御実験(一定速度でトルクを増加)の2種類の実験を実施したが、いずれの条件でも同じすべり挙動が確認できた。この実験で観測された特徴は、スロー地震の発生プロセスとの関連性をうかがわせる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①「すべらない砂甲子園」の研究については、結果を整理し、考察・議論するところまではできた。本来であれば論文投稿まで実施する計画であったため、進捗状況としてはやや遅れているといえる。 ②近接する2つの断層面に同時に剪断応力を与える実験については、本年度はシステムの開発までを目標としていたが、安定して何度も実験が実施できる実験環境作りまで達成できた。異なる実験条件で実験を実施して、2つの断層に対して同じ試料を用いた場合と異なる試料を用いた場合とで対照的なすべり挙動が見えてきた。本研究で評価したい断層挙動のおおまかな特性をとらえることが出来たことから、本研究の進捗状況は良い。
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Strategy for Future Research Activity |
①上半期に実験結果をまとめて国際誌への論文投稿を行い、1つの区切りとする。 ②新たに複数のレーザー変位計を実験システムに追加して、すべり変形にともなう試料の短縮・膨張量を測定する。測定結果をもとにすべり挙動の物理的なプロセスを評価する。実験条件を変更した実験(回転速度、トルク変化量)を行い、2つの断層の挙動からスロー地震の発生メカニズムの考察を行う。1つの断層面を模擬した基礎的な実験も実施して2面断層実験の考察材料とする。年度末に実験結果をまとめて国際誌へ論文を投稿する。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)