Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
不均一系触媒反応は環境調和型の有機合成を実現するのみならず、担体表面での特異な反応場を活用することで、均一系触媒とは異なる活性・選択性の発現が期待される。種々の不活性結合の活性化を可能とする不均一系遷移金属錯体触媒を開発することができれば、不均一系触媒独自の選択性を有する革新的反応開発が可能となる。本研究では、精密に制御されたメソ孔内への遷移金属錯体の効率的・汎用的触媒固定化手法の開発と、フロー反応と機械学習を活用する触媒反応開発を行う。不均一系触媒ライブラリを用いる触媒評価をフロー反応にて行うことで高品質データベースを構築し、機械学習により迅速な最適化・選択性制御因子の特定に取り組む。
本研究の目的は種々の遷移金属錯体に適用可能な汎用的かつ高度な選択性制御を可能とする触媒の新規固定化手法を開発することである。本研究では固定化触媒特有の反応場として表面に化学修飾を施した担体を用い、簡便な操作での遷移金属錯体の固定化を行う。本年度は、アミン修飾シリカ/ヘテロポリ酸複合体上に、ロジウム錯体の固定化を行い、以下に挙げるフローでの遷移金属触媒反応の開発を行った。まず、キラルBINAP配位子を有する一価ロジウム触媒の固定化を行い、フローでのヒドロアシル化反応・エンーイン環化反応の開発を行った。いずれの反応においても均一系触媒を上回る触媒回転数を記録し、触媒種の溶出も検出限界以下であった。また、ヒドロアシル化反応の開発においては、固定化パラジウムナノ粒子触媒を用いる水素化反応と組み合わせることで、生理活性化合物中間体の連結・連続合成を達成した。また、エンーイン環化反応においては、フロー反応を活用し、反応機構・触媒不活性化のメカニズム解明にも取り組み、これまで未知であった触媒の不活性化機構のメカニズムを明らかにした。さらに、Cp*Rh(III)触媒の固定化にも取り組み、フロー条件でのC-H結合活性化反応の開発にも取り組んだ。こちらの反応においても、均一系触媒を上回る触媒回転数を記録し、触媒種の溶出も検出限界以下であった。以上、アミン修飾シリカ/ヘテロポリ酸複合体を用いる固定化がカチオン性ロジウム触媒の汎用的な固定化手法であり、種々のフロー反応において高活性・高選択性を示すことを明らかにした。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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ACS Catalysis
Volume: 14 Issue: 4 Pages: 2202-2206
10.1021/acscatal.3c05868
Angewandte Chemie International Edition
Volume: 63 Issue: 1
10.1002/anie.202313778
https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/10102/