Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
近年、多様な分子変換を実現するために、従来の単純な反応機構にとどまらない様々な反応機構によるロジウム触媒反応が次々に創出されています。こうした反応は、理論的に予測することが困難であり、その開発には膨大な実験と試行錯誤の繰り返しが必要とされてきました。そこで本研究では、理論的な予測が困難なロジウム触媒反応に関して、AI(機械学習)と理論計算を組合せることで、合理的に化学反応を開発するための方法論の創出を目指します。
ロジウム (Rh) は、光駆動型触媒としての利用例が限られている。周期表上で隣り合わせに位置するイリジウム (Ir) やルテニウム (Ru) が光増感剤として膨大な反応に利用されていることとは対照的である。これは、ロジウムが特定の酸化数を取りにくいためであると考えられる。このようなロジウムの性質を逆手に取った新規ロジウム光触媒の開発に取り組んだ。前年度では、効率的に光を吸収できる新規ロジウム錯体として、スピロ部位を有する新規ロジウム錯体 Spiro-fluorene-indenoindenyl (SFI)-Rh(I) を開発し、「アレーンの C-H ホウ素化反応」や「ジインとアルキンの [2+2+2] 反応」を青色光照射下において触媒できることを明らかにした。当該年度は、上述にて開発した SFI-Rh 触媒に関して、電子的・立体的な修飾を施した SFI 配位子ライブラリーを構築し、[2+2+2] 付加環化反応をモデル反応とした触媒活性相関を取得した。その結果、基質に応じて最適触媒が変化することを見出した。さらに、理論計算による解析の結果、励起状態における活性化エネルギーの差のみでは説明できず、他の反応制御因子が存在することがわかった。そこで、触媒の種類と基質の種類の組合せによって取得した 40 程度の実験データセットを学習データとし、基質と触媒に関する多数の記述子を用いた「収率予測モデル」を機械学習によって作成した。このモデルの主因子解析を行い、反応制御因子を統計的な観点から推定した結果、本反応には基質の立体因子と触媒の HOMO / LUMO が影響しうることがわかった。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2024 2023 2022
All Journal Article (6 results) (of which Peer Reviewed: 5 results, Open Access: 1 results) Presentation (9 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results, Invited: 6 results)
Nature Synthesis
Volume: 2 Issue: 6 Pages: 535-547
10.1038/s44160-023-00268-9
Angewandte Chemie International Edition
Volume: early view Issue: 21
10.1002/anie.202301259
Nature Communications
Volume: 14 Issue: 1 Pages: 652-652
10.1038/s41467-023-36161-4
ACS Catalysis
Volume: 13 Issue: 3 Pages: 1604-1613
10.1021/acscatal.2c05683
Volume: 62 Issue: 16
10.1002/anie.202301346
Volume: 61 Issue: 52
10.1002/anie.202213659