Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
本申請課題では、有機光触媒の物性と反応性を紐づける機械学習法の開発を目指して研究に取り組む。有機光触媒の活用は、貴金属に依存しない物質生産を実現する鍵となり得る一方で、その潜在的なバリエーションの多さから、真に有効な触媒は現状見逃されている可能性が高い。そこで我々は、触媒機能のさらなる理解と反応性予測を可能にする機械学習法を確立し、より実用性の高い有機光触媒の開発を行う。また、開発した有機光触媒による反応開発や、データサイエンスを活用した反応機構の解明、さらに収集した光反応のデータベースを利用したベイズ最適化による高活性有機光触媒の自動探索プログラムの開発など、幅広い応用を目指す。
初年度は、光増感剤を用いたフェノール合成反応において、基礎となるデータベース構築と機械学習モデルの開発を行った。この研究に関しては、昨年に論文投稿を完了した(Angew. Chem. Int. Ed. 2023, 62, e202219107.)。そこで2年目となる昨年度は、データベースのさらなる拡張及び転移学習等を含むより発展的な機械学習法の適用に取り組んだ。結果として、異なる分子変換を引き起こす光反応間で知識を共有する転移学習法の開発を達成した。また、より高度な量子化学計算を活用して設計した記述子と可視化手法を組み合わせることで、説明可能性及び予測精度を両立した機械学習モデルの開発にも取り組んだ。これらに関する論文は現在執筆中であるため、なるべく早く投稿及び出版までこぎつけたいと考えている。さらに、領域内外の複数の研究グループと共同して、実験を主体とした光反応(さまざまなエネルギー移動、電子移動系を含む)データベースのさらなる拡張や、量子化学計算や分子生成技術を活用した計算値主体のデータベース開発も進めている。領域での後期の活動を通して、より大規模なこれらのデータベースを活用した触媒設計法の確立などに挑戦する予定している。光反応以外にも、新たに開発した脱水触媒システム及び、金属触媒を用いた水素化反応におけるデータベース構築、機械学習モデルの開発、及び仮想スクリーニングによるより有効な触媒の発見等についてもまとまった結果が得られたため、これらも論文作成に取り掛かっている。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2024 2023 2022
All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (11 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Invited: 2 results)
Angewandte Chemie International Edition
Volume: 62 Issue: 11
10.1002/anie.202219107
ACS Catalysis
Volume: 12 Issue: 24 Pages: 15400-15415
10.1021/acscatal.2c05034