Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
本研究では、我々が精力的に研究を行ってきた位置選択的なC-H結合変換反応開発の経験と知見を活かし、触媒と光学活性な添加剤、基質と光学活性な添加剤、触媒と基質、それぞれの間に働く非共有結合性相互作用を利用することで、位置選択的かつエナンチオ選択的なC-H結合変換反応を開発する。反応開発で得られるポジティブおよびネガティブなデータをデータベースに提供し、機械学習により提供される触媒設計指針を実験にフィードバックし、再び触媒の合成と反応について検討する、という一連の作業を繰り返すことで、高い位置選択性やエナンチオ選択性を有するC-H結合変換反応を開発する。
水素原子移動(HAT)触媒を用いるC(sp3)-H変換反応の開発を中心に検討を行った。我々は以前に、アニオン性を有するデカタングステン酸塩光触媒とカチオン性を有するアニリニウム化合物との間に働く静電相互作用を利用することで、HAT機構によるC(sp3)-H結合からの水素原子の引き抜きによるベンジルラジカルの発生を経由する芳香族アニリニウム塩のオルト位選択的なベンジル位C(sp3)-Hアルキル化反応の開発に成功した。これらの研究成果に基づき、複数の官能基を含む生体分子であるアミノ酸やペプチド類のHAT機構による選択的な変換反応について検討した。その結果、アミノ酸であるバリンやバリンを含むジペプチドやトリペプチドのバリン選択的なC(sp3)-Hアルキル化反応の開発に成功した。我々は以前に、糖類のHAT反応を利用することにより、位置選択的なC(sp3)-Hアルキル化反応が進行することを見出している。この反応を分子間HAT反応に展開することに成功し、糖類の位置選択的なC(sp3)-Hアルキル化反応の開発に成功した。本反応において、アントラキノン触媒では結合解離エネルギーの最も小さいC-H結合で、よりかさ高いデカタングステン酸塩光触媒では立体障害の最も少ないC-H結合でそれぞれ反応が進行することを見出すことができ、触媒を置き換えることで反応点をスイッチできることを明らかにした。また、本反応を利用することで、新たな脱離基である5-アンモニウム-4,4-ジメチルバレリル基を開発し、アルコールやアミン類の脱保護反応や放出反応を開発することができた。また、実験と機械学習の協働による超高活性HAT触媒の開発を目指し、共同研究を開始した。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Orgnic Letters
Volume: 25 Issue: 18 Pages: 3293-3297
10.1021/acs.orglett.3c01061
Organic Letters
Volume: 25 Issue: 20 Pages: 3708-3712
10.1021/acs.orglett.3c01154
Advanced Synthesis & Catalysis
Volume: 365 Issue: 15 Pages: 2577-2587
10.1002/adsc.202300329
The Chemical Record
Volume: 23 Issue: 9
10.1002/tcr.202300003
Volume: 23 Issue: 10
10.1002/tcr.202300149
European Journal of Organic Chemistry
Volume: 26 Issue: 46
10.1002/ejoc.202301015
Journal of Synthetic Organic Chemistry, Japan
Volume: 80 Issue: 5 Pages: 421-430
10.5059/yukigoseikyokaishi.80.421
Synthesis
Volume: 54 Issue: 10 Pages: 2330-2339
10.1055/a-1739-4793
Angewandte Chemie International Edition
Volume: 61 Issue: 22
10.1002/anie.202202327
Volume: 24 Issue: 23 Pages: 4281-4285
10.1021/acs.orglett.2c01663
Volume: 2022 Issue: 31
10.1002/ejoc.202200873
Volume: 24 Issue: 44 Pages: 8218-8222
10.1021/acs.orglett.2c03327
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