Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
複雑分子合成では、高度な基質設計を必要とする反応がしばしば利用される。このような反応基質の設計には遷移状態に対する計算解析が有用であるが、分子が複雑になるにつれて、合成化学的に有益な情報を計算結果から導き出すことが困難となる。本研究では、機械学習を利用することで複雑化合物の反応性制御因子を定量的かつ客観的に推定する手法の確立を試みる。さらに、その推定手法を応用し、望みの反応選択性を実現する実践的AI開発に展開する。
本研究では反応性制御因子として分子の立体配座多様性に着目し、計算化学による高度な反応基質設計を実現することを目的としている。本年度は、実際の天然物合成で利用された反応について、独自に開発した多配座解析処理プログラムライブラリーACCeL(https://accel.kfchem.dev/)を用いることで、立体配座網羅的な計算解析を実施し、2報の論文を報告した。1報目の論文では、アリルシランとイミニウムイオンによるアザスピロ環構築反応について、その立体選択性の起源について解析した。本反応基質は比較的配座自由度の高い構造を有していたものの、結合形成時における遷移状態について、合計300以上の立体および配座異性体を取得することで、実験結果と良い一致を示す計算結果が得られた。また、得られた遷移状態群の解析には、Cremer-Popleパラメーターと配座安定性に注目した解析手法を利用することで、本反応における立体選択性と基質構造の関係性について詳細に解析することができた。2報目の論文では、金触媒によるエーテル環構築における位置選択性について解析した。同様に、立体配座の多様性を十分に考慮した計算プロトコルにて、多数の遷移状態群を取得し、反応の選択性について考察した。本考察では、基質中の重要な構造成分のみを別に配座網羅的に解析する手法を用いた。いずれの研究でも、反応性制御因子として、遷移状態における立体配座の重要性を示すことができ、今後より高度な反応基質設計が達成できるものと考えている。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Journal Article (11 results) (of which Peer Reviewed: 11 results) Presentation (31 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Invited: 2 results) Remarks (2 results)
The Journal of Organic Chemistry
Volume: - Issue: 11 Pages: 7991-8004
10.1021/acs.joc.4c00633
Volume: 88 Issue: 19 Pages: 13655-13665
10.1021/acs.joc.3c01343
The Journal of Antibiotics
Volume: 76 Issue: 6 Pages: 305-315
10.1038/s41429-023-00611-4
Volume: 76 Issue: 5 Pages: 249-259
10.1038/s41429-023-00605-2
Synthesis
Volume: 55 Issue: 04 Pages: 617-636
10.1055/a-1941-8680
Journal of Natural Products
Volume: 85 Issue: 12 Pages: 2796-2803
10.1021/acs.jnatprod.2c00781
Volume: 75 Issue: 11 Pages: 610-618
10.1038/s41429-022-00558-y
Volume: 85 Issue: 8 Pages: 1993-1999
10.1021/acs.jnatprod.2c00331
Volume: 87 Issue: 16 Pages: 11185-11195
10.1021/acs.joc.2c01497
Volume: 85 Issue: 7 Pages: 1763-1770
10.1021/acs.jnatprod.2c00281
Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry
Volume: 86 Pages: 832-836
10.1093/bbb/zbac061
https://www.pu-toyama.ac.jp/BR/urabe/
https://accel.kfchem.dev/