Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
無細胞分子システムの構成部品として、脂質膜上に決まった数の機能性モジュール(酵素、有機分子等)を配置できる”土台”モジュールは、目的の化学反応の効率化や膜内外でのシグナル伝達等を実現する上で有用である。そこで本研究では天然タンパク質を超越した汎用性を持った、自己会合する膜貫通ペプチドモジュールを分子動力学計算とペプチド構造解析実験を相補的に利用しながら理論設計する。設計した膜ペプチドを他の機能性モジュールと連結することで新しい超越分子システム開発に貢献する。
本研究では、無細胞分子システムのモジュールとして天然由来タンパク質を超越した汎用性を持ち、脂質二重膜中で自己会合する膜貫通αヘリックスペプチドをde novo設計する。設計ペプチドの設計、計測、分子シミュレーションを通して分子システム構成部品の合理設計の基礎となり得る膜貫通αヘリックスが会合するメカニズムの普遍的なルールを発見する。2023年度は前年度に合成したペプチドの会合数分析、およびペプチドの会合過程の分子動力学計算と蛍光イメージングによる検証を行った。ペプチドの会合数分析においては、前年度に合成した4量体ペプチド2種の分析超遠心を実施した。その結果4量体の他に凝集体のような大きな会合体が存在することが示唆されたため、ペプチドの試料調製方法の検討及びアミノ酸配列のさらなる最適化を進めている。ペプチドの会合過程の予測について、既に分析超遠心で5量体形成が確認されているde novo設計ペプチドについてその会合過程を水中、膜結合、膜内会合と段階的にサンプリングする全原子分子動力学計算を実施した。その結果、設計ペプチドは膜表面に自発的に膜表面に結合し膜内に挿入すること、2量体形成が早い段階で起きることが明らかとなった。さらに計算による予測の実験検証を進めるため、領域内共同研究によって巨大リポソームGUVに外側から蛍光ラベルした設計ペプチドを添加し共焦点蛍光顕微鏡観察を行ったところ顕微鏡下で確かにペプチドの膜への局在が確認できた。今後さらに領域で開発中の分子システムに合わせた機能性モジュールを導入し蛍光イメージングによる機能計測を進めることで膜ペプチドモジュールとしての活用展開が可能となる。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2024 2023 2022
All Journal Article (2 results) (of which Open Access: 2 results, Peer Reviewed: 1 results) Presentation (10 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results, Invited: 9 results)
Seibutsu-kogaku Kaishi
Volume: 101 Issue: 8 Pages: 431-434
10.34565/seibutsukogaku.101.8_431
Biophys. Rev.
Volume: 14 Issue: 5 Pages: 1-10
10.1039/d2cp03972a