Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
14族2.5次元物質(グラフェンの炭素原子をシリコン、ゲルマニウム、スズに置換した二次元物質:シリセン、ゲルマネン、スタネン)は、超高真空中で導電性基板上でのみ、その合成に成功しており、理論的に予測されている卓越した物性を応用するには至っていない。この課題解決に向けて、今回の公募研究ではゲルマネンの物性計測やデバイス応用に資する構造(大気・熱安定性に優れる薄膜を絶縁膜上に合成すること)を早期に実現するとともに、熱電物性を世界に先駆け解明しその応用可能性を議論する。
本年度得られた主な成果を以下に示す。(1)カルシウムシリサイド(CaSi2)薄膜の合成および熱電物性評価:スパッタリング法を用い、高抵抗Si(111)基板上にCaSi2薄膜の形成を試みた。6R-CaSi2 006, 0012, 0015, 0018に帰属されるX線回折ピークが観測された。6R-CaSi2 0012のピーク位置からc軸長を算出したところバルク(3.060 nm)に対して0.2%大きな値が得られた。これは6R-CaSi2薄膜とSi基板の間に存在する格子ミスマッチ(~4%)に由来すると考えられる。熱電物性を室温で測定したところ、パワーファクターは9.6 μV/cmK2と先行研究に比べると低い値であったが、低温領域においてフォノンドラッグ起因のゼーベック係数の増大が見られることを発見した。(2)水素修飾ゲルマネン(GeH)薄膜の熱安定性評価:Ge(111)基板上に合成したGeH薄膜試料を用い、水素脱離する際の加熱条件と結晶構造の相関をX線回折法により調査した。超高真空中では300℃程度までの加熱であれば、当該材料特有の層状構造が破壊されないことが判明した。先行研究の熱安定性(H2/Ar雰囲気中では75℃で非晶質化)を大きく上回る、インパクトある成果である。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2024 2023 2022
All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (10 results) (of which Int'l Joint Research: 4 results, Invited: 3 results)
Japanese Journal of Applied Physics
Volume: 63 Issue: 4 Pages: 045505-045505
10.35848/1347-4065/ad358f
Materials Science in Semiconductor Processing
Volume: 161 Pages: 107462-107462
10.1016/j.mssp.2023.107462