Theoretical Design on Opt-Electronic Devices of 2.5D Materials
Publicly Offered Research
Project Area | Science of 2.5 Dimensional Materials: Paradigm Shift of Materials Science Toward Future Social Innovation |
Project/Area Number |
22H05473
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (II)
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
若林 克法 関西学院大学, 工学部, 教授 (50325156)
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Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,760,000 (Direct Cost: ¥5,200,000、Indirect Cost: ¥1,560,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
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Keywords | 量子マテリアル / 2.5次元物質 / 光学的スピンホール効果 / 原子膜物質 / 電子輸送現象 / トポロジカル物質 / グラフェン / シフト電流 / エネルギーハーベスティング / 光デバイス / スピントロニクス |
Outline of Research at the Start |
グラフェンなどの系の厚さが一原子層である二次元物質は、光・電子機能を有するフレキシブルデバイスへの応用が期待されている。さらに、積層数や積層回転角の違いによって、超伝導や相関絶縁体など様々な電子物性が発現する。本研究では、二次元物質を人工積層した系である2.5次元物質に着目し、電磁場によるスピン流の駆動など、2.5次元物質を基盤とした新しい光・スピントロニクスデバイスの理論設計を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
グラフェンや遷移金属カルコゲナイド系物質(TMDC)などの系の厚さが一原子層である二次元物質は、熱力学的に安定なだけでなく、透明で機械的に柔らかい素材であるため、光・電子機能を有するフレキシブルデバイスへの応用が期待されている。さらに、構成する元素の組み合わせ、積層数や積層回転角の違いによって、半導体、超伝導や相関絶縁体など様々な電子物性が発現する。最近代表者らは、NbSe2などに代表される金属性TMDCにおける光学的スピンホール効果を理論的に解析し、スピン流ハーベスティングデバイスの提案を行なってきた。そこで、本研究課題では、TMDCなどからなる2.5次元物質における線形および非線形光学効果に着目し、電磁場によるスピン流の駆動など、2.5次元物質を基盤とした新しい光・スピントロニクスデバイスの理論設計と提案を行うことを目的とする。 本研究では、TMDCなどの原子膜からなる2.5次元物質において、光学的な電子励起過程によって、スピン流の生成を制御し、エネルギー効率性の高い光・電子デバイスを設計することである。さらに、その背後にあるトポロジカル特性に対する理解を深め、基礎理論を整備することにある。2.5次元物質における電子波動関数のトポロジカル特性を系統的に解析することで、電子物性の基礎学理を構築に貢献するとともに、エネルギーハーベスティングデバイスなど新しい光・電子デバイス設計のアイデアを提示することを目的とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は、少数層TMDC膜と光との相互作用に着目し、光照射による電子励起を活用したスピン状態の生成と制御機構、さらにはトポロジカル特性について、理論的に検討を進めてきた。具体的には、少数層のNbSe2薄膜を考え、その電磁場照射の効果を理論数値計算によって解析を進めた。NbSe2は、金属的な性質を示すTMDCであり、低温では超伝導転移をすることが知られている物質である。また、Nb原子由来のスピン軌道相互作用からNbSe2はイジング型スピン軌道相互作用を有することが知られている。奇数層のNbSe2薄膜は空間反転対称性が破れているが、偶数層では空間反転対称性は保持されている。この結晶対称性の違いによる光学応答の変化を明らかにした。さらに、二次の非線形光学応答効果とその偏光依存性を求めた。特に、結晶の対称性を操作する2円偏光を照射したとき、NbSe2の鏡面対称性を破るため、非線形光学効果が偶数層NbSe2でも誘起される。さらに、奇数層NbSe2では、トポロジカルシフト流が生成されることがわかった。これらのことから、金属TMDC系物質は、光スピンデバイスへの応用が期待される。 上記とは別に、学術変革領域「2.5次元物質科学」の領域内において、共同研究を進めており、本年度は2階建て構造を有するHexNetの電子状態およびそのトポロジカル特性について解析を行なった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在領域内共同研究を進めている2階建てHexNetの電子状態およびそのトポロジカル特性について理論解析結果の取りまとめを行う。この他、実験グループとの共同研究についても、推進していく方針である。
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Report
(1 results)
Research Products
(12 results)