Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
経験依存的な神経回路の再編成は生後の発達、環境への適応や学習・記憶に不可欠であるが、このような再編成が「どの細胞」の「どのシナプス」で「どのような分子メカニズム」で起こっているのかは十分にわかっていない。本研究では、申請者が開発した生体脳内1細胞でのゲノム編集・分子イメージング技術、2光子ボリュームイメージング技術、および2光子蛍光寿命イメージング技術などの先端技術群と1細胞トランスクリプトーム解析技術を組み合わせることで、回路再編成が起こる細胞の分子的特徴を明らかにし、回路再編成の時間的・空間的な分子メカニズムを脳内1細胞・シナプスレベルの解像度で解明することを目指す。
ある脳部位において経験依存的に神経回路が再編成されるとき、当該部位の全ての細胞で一様に再編成が起こるのではなく、一部の細胞でよく再編成が起こることが知られている。では、1)再編成がよく起こる細胞の特徴は何か?また、2)再編成が起こる細胞ではいつ、どこで、どのような分子が働いているのか?この問いに答えるには、まず、1細胞まるごとのレベルで再編成の程度を定量的に把握する必要がある。しかしながら、1細胞における回路再編成を定量的にモニターするのは、現在の技術では容易ではない。経験依存的に神経回路が再編成される際には、細胞レベルでは入力するシナプスのパターンが変化する。1個の神経細胞にはおよそ数千個の興奮性シナプスが樹状突起スパインに形成されており、これらスパインの構造および機能が変化することで回路は再編成される。したがって、各々のスパインの構造・機能を網羅的に同定しその経験依存的な変化をモニターできれば、1細胞まるごとでの経験依存的な神経回路の再編成を定量的に把握できる。2023年度は、2022年度に引き続き、生体脳内1細胞での回路再編成をシナプスレベルで網羅的に観察し定量的にモニターするための技術基盤を確立するための実験を進めた。スパインでのカルシウム上昇を選択的かつ高感度にイメージングできるセンサーをマウスの脳に適用し、個体の脳内を高速ボリュームイメージングできる顕微鏡を用いて、スパインでのカルシウム活動を大規模にモニターすることに成功した。さらに、生体脳内ゲノム編集・分子標識技術SLENDR/vSLENDR法や2光子蛍光寿命イメージング法を駆使して分子動態イメージングを行った。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2024 2023 2022
All Journal Article (3 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Peer Reviewed: 3 results) Presentation (9 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results, Invited: 4 results)
Journal of the American Chemical Society
Volume: 144 Issue: 43 Pages: 19778-19790
10.1021/jacs.2c06397
ブレインサイエンス・レビュー
Volume: 2022 Pages: 61-77
臨床精神医学
Volume: 51 Pages: 1319-1323