動物の温度適応における回路選択・機能構築センサス
Publicly Offered Research
Project Area | Census-based biomechanism of circuit construction and transition for adaptive brain functions |
Project/Area Number |
22H05512
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (III)
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
久原 篤 甲南大学, 理工学部, 教授 (00402412)
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Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥9,880,000 (Direct Cost: ¥7,600,000、Indirect Cost: ¥2,280,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
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Keywords | 線虫C. elegans / 光遺伝学 / トランスクリプトーム解析 / 光駆動性チャネル / 温度適応 |
Outline of Research at the Start |
動物は温度を感覚ニューロンで受容し、神経回路で処理することで体の生理的変化と馴化を引き起こす。しかし、その神経基盤には未知の点が多い。温度は地球上において必ず存在する環境情報であり、常に変動する温度環境下において、生物は暴露された温度環境に一定の時間をかけて適応する馴化の機構を持っている。本研究では、温度受容に関わる多様なニューロンが、どのように下流の神経回路を選択して、体の低温への馴化を引き起こすのかを明らかにするために光遺伝学とトランスクリプトーム解析を組み合わせた解析を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
温度は地球上において必ず存在する環境情報であり、常に変動する温度環境下において、生物は暴露された温度環境に一定の時間をかけて適応する馴化の機構を持っている。本研究では、温度受容に関わる多様なニューロンが、どのように下流の神経回路を選択して、体の低温への馴化を引き起こすのかを明らかにすることを目的とする。動物は温度を感覚ニューロンで受容し、神経回路で処理することで体の生理的変化と馴化を引き起こす。しかし、その神経基盤には未知の点が多い。本研究では神経活動イメージングとトランスクリプトーム解析に長けているモデル動物である線虫C.elegansを使い、オリジナルの温度適応の解析系を用いて、温度適応の過程で選択・機能構築される回路と、その作動原理を解き明かすことを目的として解析を進めている。2022年度は、温度適応異常をもつ神経系の変異体(哺乳類の記憶に関わる転写因子CREBの線虫ホモログの変異体)を使い、カルシウムイメージング解析と変異体の1細胞特異的回復実験から、温度適応に関わる新規の神経回路を明らかにした(Motomura et al., PNAS, 2022)。同時に、新規の温度馴化変異体を遺伝学解析から単離し、次世代DNAシーケンサーを用いてその原因遺伝子を同定した。変異体の様々なニューロン群に様々な組合せで原因遺伝子を発現させ、温度馴化異常が回復した系統と回復しなかった系統に分けて、それらの系統を用いたトランスクリプトーム解析を行うためのトランスジェニック個体を十分量収集し、その個体のRNAを約10回に分けて単離し、冷凍保存している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、温度適応異常をもつ神経系の変異体である哺乳類の記憶に関わる転写因子CREBの線虫ホモログの変異体を使い、カルシウムイメージング解析と変異体の1細胞特異的回復実験から、温度適応に関わる新規の神経回路を明らかにすることができたため(Motomura et al., PNAS, 2022)。さらに、新規の温度馴化変異体を遺伝学解析から単離し、次世代DNAシーケンサーを用いてその原因遺伝子を同定できたため。変異体の様々なニューロン群に様々な組合せで原因遺伝子を発現させ、温度馴化異常が回復した系統と回復しなかった系統に分けて、それらの系統を用いたトランスクリプトーム解析を行うためのトランスジェニック個体を十分量収集し、その個体のRNAを約10回に分けて単離し、冷凍保存できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に明らかにした新規の低温耐性遺伝子の変異体に関して、前年度に様々なニューロン群に様々な組合せで原因遺伝子を発現させ、温度馴化異常が回復した系統と回復しなかった系統に分けてRNAを単離したため、それを使い、トランスクリプトーム解析を行う。得られた結果を、線虫の1神経細胞遺伝子発現データベースに照合し新規の温度適応ニューロンの候補をリストアップする。全脳1細胞色識別系統を用いて、それらのニューロンに神経活動インディケーターや光駆動性チャネルなどの光遺伝学ツールを導入し、温度適応に伴い選択・機能構築される神経回路を同定することを目指す。また、これまでに新規に得られた低温馴化株に関して、その原因遺伝子と機能細胞などを明らかにする。
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Report
(1 results)
Research Products
(17 results)