Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
核-細胞質を結ぶ唯一の「メゾ複雑体」輸送孔である核膜孔は、その内部に相分離から成る液滴を形成し、細胞増殖やウイルス感染応答にともなうすべてのDNA情報ネットワークを選択的に制御する。病態で変化する分子輸送の仕組みを理解するには、核膜孔内部の液滴の状態と機能相関のクロススケール核膜孔内分子構造動態の解明が必要である。本研究では、申請者らが確立してきた独自のイメージング技術により、選択的核膜分子輸送システムの基盤となる相分離のメゾ動態と機能化メカニズムを解明する。
核膜孔複合体(NPC: Nuclear Pore Complex)は、核内のDNAへの唯一の分子輸送経路を提供するタンパク質複合体で、核と細胞質の間の分子輸送を調節し、DNAの情報ネットワークを選択的に制御します。申請者は、高速AFM(原子間力顕微鏡)を用いて、世界で初めてFG-NUPsが形成する核膜孔内部の液滴を可視化することに成功しました。さらに、申請者らは病態制御におけるNPCの機能調節メカニズムに関する研究も進めており、細胞の環境や状態に応じて核膜孔の組成が変化し、その機能が高度化することを明らかにしました。具体的には、がん病態に特異的なFG-NUPsの発現量や翻訳後修飾が、核膜孔を介した核と細胞質間の輸送選択性を変化させ、がん病態の進行を助長する遺伝子発現パターンを確立することが示されています。しかし、液滴は動的な高次構造体であり、その安定性は環境に大きく依存します。試料の調製が難しいことに加え、相分離を調べるための技術基盤が整備されていないため、生命現象の中核を成す選択的核膜分子輸送における液滴の動態や機能メカニズム、さらには病態に伴う液滴の変化については未解明の部分が多く残っています。本研究は、核膜孔の作動原理の基盤となる相分離の理解を深めるため、核膜孔内部に形成される液滴のナノ構造動態とその機能との相関を解明することを目的としています。2022年に我々の研究成果については、Cells, BBRC, JEV誌に発表した。また、西田先生のIn-cell NMR共同研究成果については、2023年Journal of Physical Chemistry Letters誌に報告されました。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2024 2023 2022 Other
All Journal Article (12 results) (of which Int'l Joint Research: 7 results, Peer Reviewed: 12 results, Open Access: 12 results) Presentation (10 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results, Invited: 10 results) Remarks (1 results)
Cell Host & Microbe
Volume: 32 Issue: 4 Pages: 441-442
10.1016/j.chom.2024.03.004
Cells
Volume: 13 Issue: 3 Pages: 279-279
10.3390/cells13030279
Communications Chemistry
Volume: 6 Issue: 1 Pages: 260-260
10.1038/s42004-023-01061-7
Cell Chemical Biology
Volume: - Issue: 4 Pages: 792-804.e7
10.1016/j.chembiol.2023.10.005
Nature Physics
Volume: 19 Issue: 12 Pages: 1916-1926
10.1038/s41567-023-02218-w
The Journal of Physical Chemistry Letters
Volume: 14 Issue: 38 Pages: 8385-8396
10.1021/acs.jpclett.3c01440
Cell Reports
Volume: 42 Issue: 8 Pages: 112882-112882
10.1016/j.celrep.2023.112882
Nano letters
Volume: 23 Issue: 2 Pages: 619-628
10.1021/acs.nanolett.2c04270
Journal of extracellular vesicles
Volume: 11 Issue: 11 Pages: 12275-12275
10.1002/jev2.12275
Stem Cells
Volume: 40 Issue: 9 Pages: 831-842
10.1093/stmcls/sxac044
Volume: 11 Issue: 3 Pages: 317-317
10.3390/cells11030317
Biochemical and Biophysical Research Communications
Volume: 586 Pages: 137-142
10.1016/j.bbrc.2021.11.046