Cryo-electron tomography of Birbeck granules
Publicly Offered Research
Project Area | New cross-scale biology |
Project/Area Number |
22H05538
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (III)
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
小田 賢幸 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (20569090)
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Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥9,360,000 (Direct Cost: ¥7,200,000、Indirect Cost: ¥2,160,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
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Keywords | クライオ電子顕微鏡 / 免疫防御 / ウイルス / 表皮 / 免疫 |
Outline of Research at the Start |
表皮は外界からの病原体侵入における免疫の最前線である。ランゲルハンス細胞は表皮に局在する特殊な免疫細胞であり、侵入してきた病原体を取り込んで活性化するとリンパ節に遊走して免疫応答を誘導する。ランゲルハンス細胞が持つ受容体であるランジェリンは病原体表面の糖鎖を認識して細胞内に取り込む。ランジェリンが作る取り込み小胞は梯子状の細い膜構造に丸い小胞が接続した「テニスラケット」様のバーベック顆粒を形成する。このバーベック顆粒はHIVウイルスの感染を防御するとして注目されているが、その構造や仕組みの多くは不明である。本研究ではクライオ電子顕微鏡を用いてバーベック顆粒による感染防御機構を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、HEK293T細胞にランジェリンタンパク質を大量発現することでバーベック顆粒を細胞内で形成させた。クライオ電子トモグラフィー法を用いて、単離されたバーベック顆粒を観察し、ハチの巣状構造を取っているランジェリンの繰り返し単位の3D構造を6.4オングストロームの解像度で再構築した。この構造解析によりランジェリンホモ三量体間の相互作用は、残基258-263の可動性の高いループが二次糖鎖結合部位にドッキングすることによって媒介されることが明らかになった。258-263ループ内部に変異を導入すると、変異残基の数に応じてバーベック顆粒の形成阻害が観察された。さらにこれらの変異ランジェリンを発現する細胞にHIV偽ウイルス粒子を感染させる実験を行ったところ、258-263ループへの変異がウイルスの取り込みも阻害することがわかった。これらの結果は、バーベック顆粒が膜ジッパー構造を形成する分子機構を示唆しており、ランジェリンがウイルス感染に対する防御において果たす役割について新たな知見をもたらした。以上の研究から、バーベック顆粒の膜ジッパー構造の形成に関わる分子機構が明らかになり、ランゲルハンス細胞におけるウイルス感染防御に関与するランジェリンの働きについての理解が深まった。本研究はeLife誌に掲載された(https://elifesciences.org/articles/79990)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
主たる目的を達成し、論文を発表した。進捗状況に問題は無い。
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Strategy for Future Research Activity |
現在メゾ複合体として、uroplakin complexとPMEL amyloid fibrilの2つの構造解析を行っている。 1.uroplakin complexを豚の膀胱から単離精製し、クライオ電子顕微鏡を用いて三次元構造解析を行っている。すでにアミノ酸側鎖が部分的に見える程度にまで解像度を向上させた。今後、論文発表に向けて実験結果をまとめていく。 2.PMELのCAFドメインを大腸菌で発現し、変性下で精製した。これをdilutionによりrenatureすることでamyloid fibrilを作らせることに成功した。すでにアミノ末端側30アミノ酸程度の部分配列からなるamyloid fibrilの高解像度解析に成功した。今後はカルボキシル末端側のamyloid formation条件をしらべ、完全なamyloid fibrilの生成を試みる。またpigment dispersion syndromeの原因変異を導入し、構造がどのように変化するか解析する。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)