Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
本研究では隔離膜先端と小胞体の接点で脂質輸送場として働くオートファジー因子の構造(メゾスケール複雑体)および振る舞いを、クライオ電顕単粒子解析、クライオ電子線トモグラフィー、原子間力顕微鏡、蛍光寿命顕微鏡などの多様な手法を用いて異なるスケールで観察する。そして細胞内でまさに機能する状態の複雑体の実体および作動機構を明らかにすることで、オルガネラ間脂質輸送の基本原理の解明を目指す。
本研究ではオートファジー膜伸長時に小胞体と隔離膜のMembrane contact site (MCS)において形成されるオートファジー因子のメゾ複雑体の実体を明らかにし、メゾ複雑体がどのようにバルク脂質輸送を担っているのか、その作動原理を明らかにすることを目的とする。メゾ複雑体とは一過的に、複数のタンパク質などが集まっている場所であり、脂質輸送を担う因子群が集まることで脂質の大量高速輸送を可能にしているのではないかと考えている。計画の通り、クライオ電子線トモグラフィの手法を取り入れ、解析している。解析対象には酵母から精製したAtg9小胞を用いた。Atg9小胞はゴルジ体から出芽する小胞で、オートファジーの初期の膜成分になると考えられており、オートファジー膜伸長直前のタンパク質局在を解析することができる。実際に酵母からAtg9小胞がとれ、クライオ測定するためのサンプル調製を行なった。しかし、ネガティブ染色で確認できた小胞は、クライオグリッドのホール内にはほとんど観察されなかった。これはグリッドを調製するときに、ほとんどの小胞が、ろ紙に吸い取られてしまったからと思われる。クライオ凍結条件を検討した結果、ある条件では、グリッドホール内に小胞が観察された。この小胞には膜タンパク質と思われる粒子が膜上に局在している様子が観察された。今後、良好なクライオ試料を調製し、クライオ電子線トモグラフィ測定を行う予定である。
3: Progress in research has been slightly delayed.
クライオ電子顕微鏡解析に用いる試料の調製が難しく、凍結後の粒子数が少ないため。大量調製できるように精製工程を見直している。
小胞を大量に精製するために、条件検討を行う。また、クライオトモグラフィだけでなく、単粒子解析も試みる。タンパク質相互作用解析に蛍光寿命顕微鏡を用いた分子間FRETを取り入れる。
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