Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
アミノアシルtRNA合成酵素はアミノ酸をtRNAに結合させるアミノアシル化反応を触媒する。本研究では、超硫黄分子に着目しアミノアシルtRNA合成酵素の新規機能を探索することを目指す。具体的には、システイニルtRNA合成酵素による蛋白質のシステイニル化修飾、また、超硫黄化システインのシステイニル化修飾について解明することを目指す。さらに、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(GapDH)のシステイン残基の超硫黄化により制御を受けるアミノアシルtRNA合成酵素の機能解析を目指す。特に、トリプトファニルtRNA合成酵素とGapDHとの相互作用などを解析し機能制御機構の解明を目指す。
ヒトのトリプトファニルtRNA合成酵素(TrpRS)は、新型コロナウイルスに感染すると最も発現量が増加する蛋白質の一つであることが判明し、炎症・免疫の観点から近年非常に着目されている。ヒトTrpRSはインターフェロン(IFN)-γで発現量が著しく増加する。超硫黄分子には炎症性サイトカインIFN-γの働きを抑える効果がある。我々は、ヒト細胞へのIFN-γ処理により、免疫寛容を誘導する細胞外から細胞内へのトリプトファン(Trp)に対する高い親和性と高い選択性を有する高感度Trp取り込みが著しく増加し、ヒトTrpRS蛋白質と細胞のTrp飢餓条件が高感度Trp取り込みに重要であることを明らかにしてきた。本研究では、この我々が発見した、ヒトIFN-γ刺激下でのヒトTrpRSを介する高感度なTrp取り込みの作用機序の解明に挑んだ。まず、トリプトファニルAMPを合成できないTrpRS変異体の過剰発現では細胞の高感度Trp取り込みが促進されないことや、TrpRSのトリプトファニルAMP合成を抑制すると高感度Trp取り込みが低下することを示し、TrpRSがトリプトファニルAMPの合成を介して高感度Trp取り込みを促進することを明らかにした。また、ヒトTrpRSがトリプトファニルAMPをターゲット蛋白質のLys残基に反応させることによりトリプトファニル化修飾を行うこと、また、Trp飢餓条件において、ヒトTrpRSは多くの蛋白質と特異的に結合することを明らかにした。さらに、マウスでは、ヒトTrpRSと同じ分子長のものに加え、alternative splicingによりC末端に6アミノ酸配列が付加されたTrpRSバリアントが産生され、IFN-γによりその発現量が増加すること、また、そのマウスTrpRSバリアントでは6アミノ酸配列内のCys残基の硫黄が機能制御に重要であることを明らかにした。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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International Journal of Molecular Sciences
Volume: 24 Issue: 20 Pages: 15453-15453
10.3390/ijms242015453
Annals of the Rheumatic Diseases
Volume: 82 Issue: 9 Pages: 1153-1161
10.1136/ard-2023-224055
https://park.itc.u-tokyo.ac.jp/wakasugilab/