ウイルスから紐解く非ドメイン生物学
Publicly Offered Research
Project Area | Biology of Non-domain Biopolymer |
Project/Area Number |
22H05584
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (III)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 哲久 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (40581187)
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Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥9,360,000 (Direct Cost: ¥7,200,000、Indirect Cost: ¥2,160,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
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Keywords | ヘルペスウイルス / 孤児遺伝子 / UL31.6 / HSV |
Outline of Research at the Start |
偏性細胞内寄生体であるウイルスは、常に宿主の過酷な異物排除機構に直面している上、世代時間も短いため、比類なき適応進化を余儀なくされている。それ故か、ウイルス・ゲノムには、他の生物に類似配列のない「孤児遺伝子」が多数コードされており、これらには、全長あるいはほぼ全長が高次構造を有さない、ウイルス特異的な非ドメイン型蛋白質が散見される。本研究では、「独自に同定したウイルス特異的な非ドメイン型蛋白質の横断的解析」と「領域内で見出される宿主の非ドメイン型バイオポリマーに関してウイルス感染時の生物学的意義の解析」というウイルスを突破口とすることで、「非ドメイン生物学」の開拓を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
偏性細胞内寄生体であるウイルスは、常に宿主の過酷な異物排除機構に直面している上、世代時間も短いため、比類なき適応進化を余儀なくされている。それ故か、ウイルス・ゲノムには、他の生物に類似配列のない「孤児遺伝子」が多数コードされており、これらには、全長あるいはほぼ全長が高次構造を有さない、ウイルス特異的な非ドメイン型蛋白質が散見される。本申請課題では、独自に同定したウイルス特異的な非ドメイン型蛋白質の横断的解析と領域内で見出される宿主の非ドメイン型バイオポリマー(蛋白質には限定せずlncRNA等も含む)に関してウイルス感染時の生物学的意義の解析というウイルス学研究を突破口とすることで、「非ドメイン生物学」の開拓を試みる。 本年度は、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)がコードする孤児遺伝子に関して、順次KOウイルスを作出し、その生物学的意義の解明を試みた。その結果、ヒト・ヘルペスウイルスに保存される必須遺伝子内に、逆方向にコードされる孤児遺伝子が、神経系細胞におけるウイルスの細胞間伝播に関与すること、HSV-1脳内接種マウスにおける効率的な病態発現を促進すること、ウイルス粒子のカプシドとエンベロープの中間層に位置するテグメント蛋白質であること、を見出した。また、本孤児遺伝子は、NCBIにゲノム情報が登録されている全HSV-1に保存されていた。これらの知見より、本孤児遺伝子のHSV-1増殖・病態発現機構における重要性が示されたと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、①単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)がコードする「孤児遺伝子」の機能解析および②領域内で見出される宿主の非ドメイン型バイオポリマー(蛋白質には限定せずlncRNA等も含む)に関してウイルス感染時の生物学的意義の解析を実施する計画であった。①に関しては、当初の予定通り、組換えウイルスを順次作出・性状解析を実施することで、HSV-1の増殖・病態発現機構に関わる孤児遺伝子の同定に至ったことから、着実な進捗があったと考えられる。一方、②に関しては、領域内での共同研究を開始できなかった。したがって、総合的に判断すると、研究進捗は、やや遅れていると考えられる
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Strategy for Future Research Activity |
申請者らはHSV-1ゲノムに、Blast解析でも類似配列が検出されないプロリンに富む6回リピート領域を有する3種の非ドメイン型蛋白質(各分子を「6RDP-1, -2, -3」と、総称を「6RDPs」と、命名)を各2copyずつ(合計6 ORF)コードされていることを見出している。今後は、6RDP-1, -2, -3を2copyずつ破壊した組換えウイルスおよび、6RDPsを全て破壊しあ組換えウイルスを作出し、その生物学的意義の解析を試みる。また、単独発現系を用いて6RDP-1, -2, -3の差異に関しても細胞生物学的アプローチにより解明を目指す。さらに、領域内共同研究を活用することで、領域内で見出される宿主の非ドメイン型バイオポリマー(蛋白質には限定せずlncRNA等も含む)に関してウイルス感染時の生物学的意義の解析を試みる。
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Report
(1 results)
Research Products
(18 results)
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[Journal Article] STING signalling is terminated through ESCRT-dependent microautophagy of vesicles originating from recycling endosomes.2023
Author(s)
Kuchitsu Y, Mukai K, Uematsu R, Takaada Y, Shinojima A, Shindo R, Shoji T, Hamano S, Ogawa E, Sato R, Miyake K, Kato A, Kawaguchi Y, Nishitani-Isa M, Izawa K, Nishikomori R, Yasumi T, Suzuki T, Dohmae N, Uemura T, Barber GN, Arai H, Waguri S, Taguchi T.
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Journal Title
Nature Cell Biology
Volume: 25
Issue: 3
Pages: 453-466
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Role of the orphan transporter SLC35E1 in the nuclear egress of herpes simplex virus 12022
Author(s)
Fumio Maeda, Akihisa Kato, Kosuke Takeshima, Misato Shibazaki, Ryota Sato, Takuma Shibata, Kensuke Miyake, Hiroko Kozuka-Hata, Masaaki Oyama, Eigo Shimizu, Seiya Imoto, Satoru Miyano, Shungo Adachi, Tohru Natsume, Koh Takeuchi, Yuhei Maruzuru, Naoto Koyanagi, Jun Arii, Yasushi Kawaguchi
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Journal Title
Journal of Virology
Volume: -
Issue: 10
Pages: 10-10
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
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