Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
広い海を回遊するアカウミガメは、移動スケールに応じた階層的なナビゲーション機構によって、移動の意思決定を行っていると考えられている。いくつかの仮説が提案されてきたが、自然環境下での検証には至っていない。本研究では、装着型χログボットなどの装置を用いて、ウミガメのナビゲーションに係る行動を精密に計測するとともに、人為的に行動に介入し、ナビゲーション機構に関するメカニズムの因果関係を明らかにする。
本研究では、大規模な回遊を行うアカウミガメを研究対象にして、海を回遊する時の多次元感覚による階層的なナビゲーション機構を理解する事を目的とする。今年度は岩手県三陸沿岸域で混獲されたアカウミガメ7個体に地磁気加速度計、ビデオロガー、ECGロガー、GPSロガーを取り付けて、海に放流した。3日後に記録計を回収することで、潜水行動、心拍数、採餌行動の記録を得た。得られた記録を解析することで、回遊中の詳細な遊泳行動に関する知見を得ることが出来た。加えて、ビデオロガーやECGロガーを用いた事で、ウミガメ周囲の環境情報や個体自身の生理情報も得ることが出来た。さらに、そのうち2個体には海洋動物用AI搭載ビデオロガーのカイログボットをアカウミガメに搭載し、採餌イベント発生時特異的にウミガメ周辺をビデオ撮影することを試みた。これは、アカウミガメの採餌に関わるナビゲーション機構に関する知見を得ることを目的としたものである。さらに、周囲の磁場をマイコン制御式に変換するウミガメ用の小型装置を開発し、これを用いることで、アカウミガメの地磁気感知に関わるナビゲーション機構の解明に取り組んだ。実験用水槽に亜成体アカウミガメを静置し、頭部に磁場改変装置を非侵襲的に装着した。水槽上方にビデオカメラを設置し、ウミガメの行動を経時的に記録した。磁場改変装置は、事前にマイコンにプログラムしたスケジュールに沿って、ウミガメ頭部の磁場を改変した。この磁場改変に伴う、ウミガメの行動の変化をモニタリングすることで、磁場改変がウミガメの行動にもたらす影響を検討するとともに、地磁気感知に関わるナビゲーション機構について考察した。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2024 2023
All Journal Article (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results, Peer Reviewed: 2 results, Open Access: 2 results) Presentation (11 results) (of which Int'l Joint Research: 6 results, Invited: 2 results)
Journal of Experimental Biology
Volume: 227 Issue: 5
10.1242/jeb.246334
eLife
Volume: 12 Pages: 87016-87016
10.7554/elife.87016.3