Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
本研究では、移動行動について未解明な部分が多い水圏生物のうち、小型鯨類に着眼し、 特に絶滅が危惧される沿岸性の強い種として日本近海のスナメリを対象とする。複数の海域 で上空からドローン調査を実施し、非侵襲的に長時間、多量の位置情報と動画を得、解析に 機械学習技術を適用して水面に浮上する水圏大型生物のドローン研究手法を確立する。これによりスナメリの個体状態、群れサイズ、行動などが様々に異なる状況、つまり階層的生物ナビ学における「階層」が異なる場合の移動行動を調べ、行動圏などを定量化する。沿岸に おける人為的撹乱として船舶航行を「介入」と捉え、階層ごとに介入の影響を評価する。
本研究では、移動行動について未解明な部分が多い水圏生物のうち、沿岸性の小型鯨類を対象とし、ドローンを用いて階層的な移動行動の解明に試みた。令和5年度は、三河湾および瀬戸内海等の日本近海に生息する絶滅危惧種スナメリを主な対象とし、ドローン調査を実施し、ドローンを陸上から海上の上空に飛ばしてスナメリを動画撮影し、非侵襲的にスナメリの位置情報と行動データを得た。さらに音響調査をドローン調査に併用し、船舶影響の多角的な評価を試みた。調査の結果、三河湾および瀬戸内海北西部においてスナメリの動画データを取得できた。取得した映像から、個体長推定手法について検討をおこない、個体識別の方法について検討した。水中から斜めに水面に向かってくるため、呼吸時に体の部位を計測すると良いことがわかった。また、船舶とのインタラクションが撮影されたデータから、スナメリの船舶逃避行動について解析した。さらに、複数の水族館等と連携し、周辺海域に生息するスナメリの個体情報について情報収集するとともに、階層的な行動理解のための実験方法について検討を進め、飼育個体に吸盤を装着する予備実験を実施した。個体が吸盤をいやがらないようにさらなる練習が必要だが、吸盤を装着できたため、領域で開発したカイログボットによる研究の発展が見込まれた。そして、領域会議に積極的に参加し、成果発表を行うとともに、領域アドバイザー、領域内の研究者らと意見交換をすることで分野の発展に寄与した。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Int'l Joint Research (1 results) Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results, Open Access: 1 results) Presentation (9 results) (of which Int'l Joint Research: 5 results, Invited: 5 results) Book (2 results) Remarks (1 results)
PLOS ONE
Volume: 18(8) Issue: 8 Pages: e0288513-e0288513
10.1371/journal.pone.0288513
INTER-NOISE and NOISE-CON Congress and Conference Proceedings
Volume: 286(2) Issue: 2 Pages: 6866-6873
10.3397/in_2023_1026
https://kyoto.cseas.kyoto-u.ac.jp/news/2023/09/20230914/