ミツバチからひも解く経路積算型ナビゲーションの柔軟性と堅牢性
Publicly Offered Research
Project Area | Hierarchical Bio-Navigation Integrating Cyber-Physical Space |
Project/Area Number |
22H05658
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (IV)
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
佐倉 緑 神戸大学, 理学研究科, 准教授 (60421989)
|
Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥7,800,000 (Direct Cost: ¥6,000,000、Indirect Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 昆虫 / 場所記憶 / 経路積算 |
Outline of Research at the Start |
本研究はミツバチを用いて、経路積算による複数のベクトル記憶の相互作用の実体を行動学 的に解析し、その堅牢性と柔軟性を解明することを目的とする。ミツバチに複数の採餌ベクトルを記憶させ、その個体のナビゲーション行動をフライトシミュレータによって解析する。シミュレータ内でナビゲーション中の個体に対して、道中の様々なタイミングで別のベクトル記憶を想起させる介入実験を行い、飛行軌跡に与える影響を定量的に評価することで、複数のベクトル記憶がナビゲーション中にどのように相互作用し、どのような環境で正しく読み出されるのかを明らかにする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はミツバチを用いて、経路積算による複数のベクトル記憶の相互作用の実体を行動学的に解析し、その堅牢性と柔軟性を解明することを目指す。具体的には、ミツバチに複数の採餌ベクトルを記憶させ、その個体のナビゲーション行動をフライトシミュレータによって解析する。シミュレータ内でナビゲーション中の個体に対して、道中の様々なタイミングで別のベクトル記憶を想起させる介入実験を行い、飛行軌跡に与える影響を定量的に評価することで、複数のベクトル記憶がナビゲーション中にどのように相互作用し、どのような環境で正しく読み出されるのかを明らかにすることを目的としている。 今年度はまず以下の2つの実験によって、複数のベクトル記憶の獲得と想起を可能にする実験系の確立を行った。 1.野外における採餌訓練 野外に設置した採餌トンネルを用いて、ミツバチに人工の餌場を学習させる。異なる場所に相当する餌場には、それぞれ異なる匂いを添加した砂糖水を設置し、ミツバチが餌場までのベクトル方向とその餌場の匂いを連合して学習するように操作する。 2.フライトシミュレータによる疑似採餌飛行の再現 学習個体の餌場へのナビゲーション行動を、1) 前方からの風、2) 下方からのオプティックフロー、3) 上方からの偏光、の3種類の刺激をミツバチに与える、「VRフライトシミュレータ」を使って評価する。両方の餌場を十分に学習した個体を捕獲してシミュレータに取り付け、個体のターン方向をカメラでモニターしながら飛行させる。この時、個体のターン方向を上方の偏光板の回転にフィードバックすることで、学習した餌場への疑似的な採餌飛行を発現させる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最終目的である介入実験の前提となる、採餌トンネルを用いた採餌訓練と学習個体のフライトシミュレータを用いた行動解析の手法を確立することができた。フライトシミュレータで飛行中の個体に対して、匂いを用いて記憶を想起させる実験については、引き続き検証が必要であるが、おおむね予定通りの実験を行うことができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度確立した採餌訓練の手法を用いて学習が成立した個体を用いて、フライトシミュレータに固定したのちに餌場と連合した匂いを与えることで、記憶の想起、すなわち記憶した餌場への飛行が発現することを確認する。さらに、その条件下で、別の餌場と連合した匂いを与える介入実験を行い、その時の飛行軌跡の変化について調べる。軌跡に変化が起こる場合には、匂いを与える時点が飛行軌跡の変化に与える影響を解析する。
|
Report
(1 results)
Research Products
(10 results)