Machine learning-based simultaneous estimation of chemotactic and haptotactic response of Naegleria gruberi
Publicly Offered Research
Project Area | Advanced mechanics of cell behavior shapes formal algorithm of protozoan smartness awoken in giorama conditions. |
Project/Area Number |
22H05673
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (IV)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上道 雅仁 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特任研究員 (60954287)
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Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 細胞運動 / 機械学習 / 走化性 / 走触性 / 数理モデル / 原生生物 / 生物物理 / 深層学習 |
Outline of Research at the Start |
単細胞生物の運動は、化学物質の空間分布に左右される。こうした性質は生物種と化学物質の種類の組み合わせそれぞれについて数理モデル化されている。しかしながら、自然環境には多数の物質が非一様に存在しており、こうした複数の分布が存在する際の運動の変化をとらえるためには数理モデルの統合が必要である。本研究ではこの統合がなされた形での数理モデルとして、機械学習による運動と化学物質濃度の数値関係の抽出をおこなう。 本研究ではNaegleria gruberi(ネグレリアグルベリ)の運動を、流体デバイスやマイクロ加工技術を応用して作成した環境下で観察する。その運動と環境の化学物質濃度の関係を機械学習で抽出する。
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Outline of Annual Research Achievements |
ネグレリアグルベリが栄養培地中で示す速いアメーバ運動を長時間かつ高解像度で観察し、その重心速度の時間変化と細胞の形状変化の関係を解析した。まず重心運動速度の時間相関を詳細に解析することで、速度の時間相関には、速度の大きさではなく向きの時間変化が主に寄与していたことがわかった。そこで細胞の周上の曲率から突起の時間変化を解析し、特に突起の方向と重心運動の方向との関係を調べた。この結果、多数形成された突起のうち一つが数秒の間先導端として重心運動の方向を決定し、その後先導端が分裂してその中の一つが再び先導端となるというサイクルが典型的に見られた。観測された先導端の向きの時間変化をランダムウォークとしてモデル化し、これを重心運動の向きとして扱うと、重心速度の時間相関が持つ90秒ほどの緩和時間を説明できることが明らかになった。また、例数は少ないが先導端の向きの変化にほぼ関係なく直進する細胞も確認された。これは好中球などに見られる走化性運動に類似しており、環境要因による運動様式の変化の可能性が示唆された。 並行して細胞運動の軌跡データから深層学習を用いて運動方程式を推定するシステムの開発をおこなった。細胞の重心位置や速度だけでなく細胞型や細胞形状をはじめとする細胞の状態を変数とした運動方程式をニューラルネットワーク(NN)で実装し、データの後の時刻での状態を予測するように学習させるシステムを作成した。精度検証のため、走化性などの相互作用を取り入れた細胞型混合集団運動の数理モデルを作成し、数値計算で教師データを作成した。教師データを学習させることで、数理モデルで用いた相互作用を記述する関数の概形をNNに模倣させることができた。また、学習済みNNによる再シミュレーションでは教師データに見られた自己組織化を概ね再現でき、細胞運動の規則を大まかに推定するのに良いシステムであると示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マイクロミラーデバイスを用いた接着タンパク質のパターン作成、および赤色レーザーを用いたパターンの顕微鏡観察を予定していたが、機器不調のため実験を先送りにした。一様な環境の中でのネグレリアグルベリのアメーバ運動の解析については、形状と運動の関係を追加で解析することにより、その機構の理解を予想以上に深めることができた。また、深層学習システムについては単細胞だけでなく多細胞系の解析にも使用可能な形に拡張して開発できており、予想を上回る進展となった。研究計画全体で平均して、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
ネグレリアグルベリのアメーバ運動における外部要因の影響を定量的かつ数理的に明らかにすべく、走化性誘引物質と接着タンパク質が空間的非一様に存在する環境を作成して、その中での運動を観察する。深層学習システムについては、外部要因のある単細胞運動のモデルを用いた数値計算により教師データを作成し、そのような条件でも精度を検証する。その後、ネグレリアグルベリの実験データを学習させることで、ネグレリアグルベリの走化性誘引物質および接着タンパク質への応答を数理的に推定し、その機構を議論する。
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Report
(1 results)
Research Products
(10 results)