Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
繊毛は、機械刺激などさまざまな刺激に応じて運動を調節し、生理機能を果たしている。クラミドモナスは、遊泳中に障害物に衝突すると、繊毛の打ち方を逆転させ後退遊泳し障害物を避けるが、この回避反応には繊毛基部に発現するTRPチャネルのひとつであるTRP11が必須である。本研究では、TRP11ノックアウト株を用いて、TRP11によって起こる回避反応以外のさまざまな機械反応を明らかにする。さらに、改変TRP11分子の作成と解析により、TRP11の機能の分子メカニズムを解明する。本研究によって、機械受容による繊毛の出力制御のメカニズムが解明され、繊毛関連疾患の理解に繋がると期待される。
生物は環境の温度に敏感に反応し、増殖や行動に影響する。そのため、多くの単細胞生物は好ましい温度に集まる行動である「走熱性」を示す。本研究ではクラミドモナスの走熱性のメカニズムの解明を目標に研究を行った。走熱性は多くの単細胞生物で知られているが、その温度センサーは同定されていなかった。本研究でクラミドモナスの走熱性の温度センサーの候補を探索した結果、TRPチャネルのひとつであるTRP2に異常があると走熱性を示さないことが明らかになった。繊毛運動との関係を調べたところ、温度が上がると繊毛運動が活発になるという繊毛運動の温度依存性にTRP2が関与していることが明らかになった。TRP2を介して細胞外カルシウムイオンが繊毛内に流入し、繊毛運動を制御していると推測された。カルシウムイオンによる繊毛運動の制御のターゲットを同定するために繊毛運動のモータータンパク質であるダイニンの変異株での走熱性を調べたところ、野生株が負の走熱性を示すの対して、ダイニンの部分欠損株は正の走熱性を示すことが分かった。すなわち、ダイニンの活性により走熱性の程度や向きが決まっていることが明らかになった。クラミドモナスは、負の走熱性を示すが、その程度がどのような生理条件で制御されているかは明らかではなかった。さまざまな培養条件や走熱性のアッセイの条件を調べた結果、光合成が抑制されると負の走熱性が顕著になることが分かった。したがって、光合成ができず、時前でのエネルギー獲得がこんなんとなる状況になると温度が低い環境に移動し、エネルギー消費を抑制すると推測された。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Cytoskeleton
Volume: - Issue: 11 Pages: 578-585
10.1002/cm.21840
iScience
Volume: 26 Issue: 10 Pages: 107926-107926
10.1016/j.isci.2023.107926
https://youtu.be/s5wAJLLYkoU