Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
ウイルスは代謝を改変することで宿主の死や生理的機能を支配し、様々な生物圏機能に影響を与える。環境に存在するウイルスの生態研究には、ウイルスを分離せずに解析する「メタゲノム解析」が効果的であるが、その情報解析技術は未発達な部分が大きい。本研究では、「ゲノム解読」「宿主予測」「活動の理解」に関連する革新的な情報解析手法を開発し、その手法を「環境横断的」なメタゲノム・ビッグデータに適用することで、ウイルスゲノムを大量に解読し、その活動実態を解明する。これにより、ウイルスの生態に関する知識基盤を大幅に拡充し、海洋・土壌・ 地下圏等の環境においてウイルスが果たす生物圏機能の解明に貢献する。
微生物と、微生物に感染するウイルスの活動は生物圏を根底から制御しており、炭素・窒素等の物質循環を司ることで、海洋や土壌における生物圏機能に大きな影響を与えている。しかしながら、環境微生物に関する知見は圧倒的に不足しており、「ダークマター」と呼称される未培養の微生物やウイルスが多くを占める。特に、ウイルスの情報解析技術は未発達であり、環境に存在するウイルスの実態は謎に包まれている。本研究は環境におけるウイルスの活動実態を解明するために、ウイルスゲノム解析のための情報解析手法を開発する。その手法を環境横断的なメタゲノム・ビッグデータに適用することで、それぞれの環境に存在するウイルスゲノムを大規模に解読し、ウイルスの宿主や活動を解明する手がかりとなる情報を整備し、ウイルスが果たす生物圏機能の解明に貢献する。本年度は、大規模な環境メタゲノムデータ(約100兆塩基対)の配列アセンブリから同定されたウイルスゲノム1600万の配列(うち、7万が完全長ゲノム)を対象に、遺伝子アノテーションを行った。メタゲノムの由来となる環境の情報についても整備を行うことで、ウイルスに内在する機能遺伝子は環境ごとに大きく異なることが明らかになった。また、RNAウイルスについては、新規なRNAウイルスを同定するための解析パイプラインを新しく開発した。また、土壌等の環境試料のメタトランスクリプトームサンプルを取得し、環境中のRNAウイルスの分析を行っている。具体的な解析内容としては、環境中に存在するRNAウイルスは必須遺伝子RdRpをマーカーとして検出されるが、RdRpをコードするペプチド鎖が2つに分かれている「分割型」RdRpが知られる。本解析では分割型の網羅的な探索を行い、分割型の知られざる多様性を明らかにした。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2024 2023 2022
All Journal Article (6 results) (of which Int'l Joint Research: 3 results, Peer Reviewed: 4 results, Open Access: 6 results) Presentation (4 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)
Frontiers in Virology
Volume: 4 Pages: 1371958-1371958
10.3389/fviro.2024.1371958
Nature Microbiology
Volume: 9 Issue: 2 Pages: 514-523
10.1038/s41564-023-01579-5
Microbes and Environments
Volume: 39 Issue: 1 Pages: n/a
10.1264/jsme2.ME23061
bioRxiv
Volume: 2023.07.02 Pages: 547447-547447
10.1101/2023.07.02.547447
The ISME Journal
Volume: 17 Issue: 8 Pages: 1340-1350
10.1038/s41396-023-01424-x
Volume: -
10.1101/2022.10.28.514325