Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
我々は、ウシ体細胞クローン胚においてマウス体細胞クローン胚と同様にXist遺伝子が過剰に発現することを明らかにしており、Xist遺伝子発現動態が哺乳動物に共通した体細胞クローン産子作出のキーファクターである可能性がある。そこでウシ体細胞クローン技術における体細胞核の初期化機構や体細胞クローン胚の異常原因の解明、ウシ体細胞クローン産子作出効率の向上を目的として、RNA干渉法を用いたウシ体細胞クローン胚のXist遺伝子の人為的発現制御技術の確立ならびにXist遺伝子発現抑制がウシ体細胞クローン胚の発生およびエピジェネティクス動態におよぼす影響について解析を進めている。前年度は、RNA干渉法を用いてウシ体細胞クローン胚のXist発現を人為的に抑制すると、胚盤胞期胚への発生率が有意に増加することを明らかにした。そこで平成24年度は、それらXist遺伝子発現抑制胚におけるOCT-4やFGF4など胚発生に重要な役割をもつ遺伝子群の発現動態の変化を解析するとともに、Xist発現抑制胚をレシピエント雌牛に移植し、産子作出効率を検討した。Xist遺伝子発現を抑制したウシ体細胞クローン胚においては、HPRT、DNMT1およびOCT-4遺伝子のmRNA発現量は通常の体細胞クローン胚と同様にIVF胚と比較して低い値を示した。しかしながら、FGF4発現においては、通常の体細胞クローン胚がIVF胚と比較して有意に低い値を示したのに対し、Xist発現抑制胚においてはFGF4発現が正常化することが明らかとなった。Xist発現抑制胚の産子作出率に関しては、通常の体細胞クローン胚と同様の値を示し、Xist遺伝子の発現抑制はウシ体細胞クローン胚の産子作出効率に影響をおよぼさないことが示された。
All 2013 2012 2011
All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 4 results) Presentation (6 results)
Journal of Reproduction and Development
Volume: 59 Pages: 151-158
10031170773
Volume: (未定)(印刷中)
10031195872
Volume: (印刷中)
10030821159
東北畜産学会報
Volume: 60 Pages: 74-79