Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
2012年度より現大学へ異動したためデータ解析および装置の再製作を主として行った。スピノル凝縮実験結果の解析においては前年度で問題のあったボーズ凝縮原子数の再評価を行った。まず、光トラップ中におけるボーズ凝縮の原子数評価を解析した。スピノルボーズ凝縮実験では、1成分ボーズ凝縮を磁気トラップで生成したのち、光トラップへ導入する必要がある。この際、主に環境温度変動によって磁気トラップ中ボーズ凝縮体の原子数が20%程度揺らいでいた。解析の結果、光トラップへの導入時に磁気トラップとの中心点の空間的なずれによって原子数が不安定になっていることがわかった。前年度までに予想した温度および磁場安定化では達成できなかった安定度については、微小変動磁場を生じる電源装置をはじめとした装置群のノイズ対策によって原子数の安定度向上を見込めた。装置の再製作については、光源、真空装置、磁場制御の改良を行った。光源については自作半導体レーザー装置を改良し温度の高安定化を実現できた。これにより冷却光および観測光の強度安定化が実現できた。また回路作製のために基板作製機を導入し、レーザー周波数を100kHz程度まで制御装置を制作できた。環境磁場制御用の自作磁気プローブ製作と性能評価を行い1mG以下まで計測できることを確認できた。前年に行った量子渦生成実験データの解析を行った。光スプーンによる量子渦生成においてスプーン回転の周波数依存のデータを取得していたが、解析により量子渦の渦度および渦の個数の評価を行った。結果、臨界回転数付近で渦度1の量子渦が2,3個生じており, 回転数による依存性は主として生じていなかった。ボーズ凝縮の重心運動にも着目し評価すると渦の個数の多いときは重心運動の振れ幅が大きい傾向を確認した。凝縮体のトラップ中の運動エネルギーが量子渦の生成個数に影響を与えている可能性を示すことができた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2013 2012 2011
All Presentation (11 results) (of which Invited: 2 results)