Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
遷移金属を用いたヒドロアシル化反応はアルデヒドとアルケン、アルキン等の不飽和化合物との間で炭素-炭素結合を形成するための有効な手法である。従来の反応開発は、鍵中間体である金属アシル種からの脱カルボニル反応をいかにして抑制するか、という点に重点が置かれてきた。しかし、これらの研究は“金属アシル種を触媒反応系中でいかにして安定化させるか”に着目して展開されており、金属アシル中間体を経由している以上、根本的な解決策にはなっていない。本研究では、最も小さな遷移金属であるニッケルに対して大きな配位子を導入することで構築できる非常に小さい反応場の持つ可能性を明らかにする目的のもと、環状ニッケル錯体を鍵中間体とするアルケンの分子内ヒドロアシル化の開発を目指した。窒素上に嵩高いアルキル基を有するNHCであるItBuを用いた時、2-アリルベンズアルデヒドの分子内ヒドロアシル化反応が進行し、対応する生成物が収率93%で得られた。更に溶媒、触媒量等を最適化した結果、5 mol%のNi(cod)2/ItBu存在下、メシチレン中で5時間反応を行うことで収率98%で得られた。本反応の基質適用範囲ついて検討した。電子供与性置換基を有する基質を用いた場合、反応は効率よく進行し収率97%で目的とするインダノン誘導体が得られた。ベンゼン環上にフッ素を有する基質を用いた場合、反応効率の低下が見られたものの、収率75%で生成物が得られた。本触媒系は、種々のテトラロン誘導体の合成にも応用可能である 。ロジウムやルテニウムを触媒として用いた反応系においては、六員環以上の環状ケトンを合成することは非常に難しい。特筆すべきことは、これら全ての検討において脱カルボニル反応は一切観測されなかった。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Chemistry - A European Journal
Volume: 19 Issue: 10 Pages: 3415-3425
10.1002/chem.201204087
European Journal of Organic Chemistry
Volume: 3 Issue: 3 Pages: 443-447
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10.1021/ja2059999
http://www.chem.eng.osaka-u.ac.jp/~ogoshi-lab/publication/index.html
http://www.chem.eng.osaka-u.ac.jp/~ogoshi-lab/research/index.html