重力波観測を用いた中性子星内部における物質構造への制限の可能性
Publicly Offered Research
Project Area | Research on the Emergence of Hierarchical Structure of Matter by Bridging Particle, Nuclear and Astrophysics in Computational Science |
Project/Area Number |
23105711
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
祖谷 元 国立天文台, 理論研究部, 研究員 (70386720)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2011: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 宇宙物理 / 中性子星 / 重力波 / 状態方程式 |
Outline of Annual Research Achievements |
星の最期に起こる超新星爆発の後に残される中性子星は、その内部が非常に高密度となり地上実験からそのような物性を決めるのは非常に困難である。そのため、中性子星は超高密度領域における物理を調べる最適な実験室と言える。実際、星の振動から星内部の情報を得ると言う星震学がある。そこで本研究では、中性子星の振動を解析し、得られた星の振動数が、どのように超高密度な星内部状態の影響を受けるかを調べた。特に、中性子星の中心付近では、通常のハドロン物質からクォーク物質に相転移を起こすことが示唆されているが、そのような相転移の存在が観測的にどのような変化を及ぼすかに着目する。 まずは、ハドロン・クォーク相転移を含むような現実的な状態方程式に対する、ズレ弾性率を導出した。その結果、中性子星表面付近のクラスト層における弾性率に比べ、1000倍も大きくなる事が分かった。そこで、実際にズレ振動の振動数を求める為の数値コードを作成した。そして、ハドロン・クォーク物質から成る混合相の厚みをコントロールするパラメータであるクォーク物質の表面張力の値を幾つか用いて数値計算を行った。その結果、ハドロン・クォーク物質混合相におけるズレ振動数はその表面張力に強く依存すること、中性子星表面付近のクラスト層での振動数より10倍程度大きくなることが分かった。特に、ハドロン・クォーク相転移でのズレ振動に於ける基本振動数は、クォーク物質の表面張力に比例する事がわかった。つまり、観測が進み中性子星からの振動が上手く同定できるようになれば、地上実験では決める事の困難なクォーク物質の表面張力の値に、制限が付けられると期待される。実際、このような制限は、地上での実験とは全く異なる種類の観測的な制限であり、クォーク物質に対する相補的な制限が可能であると期待される。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)