Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
溶液中で磁場配向する分子に対しては構造解析に有用な残余磁気双極子相互作用 (RDC) がNMRにより観測される。我々の研究グループでは、多数の芳香族分子を平行に配列した自己組織化錯体は磁場配向し、その配向の強さは芳香族分子の枚数に比例することを見いだしてきた。本研究においては、錯体にヒドロキシ基やカチオン性部位などの官能基を有する側鎖を導入することで、錯体間でのさらなる自己組織化によりロッド状の会合体を形成させ、配列した芳香族分子数を増やすことに成功した。濃度及び温度により錯体の会合度を調節できることを見いだし、DOSY NMRを使った拡散係数によってその会合度を明らかにできた。異なる会合度の錯体に対し、1H-13Cカップリングを測定したところ、カップリングの値が濃度に応じて変化し、スピン-スピンカップリング定数(1JCH)にRDC値が加算されて検出されたことがわかった。すなわち、会合によって、磁場配向が促進されたことがわかった。また、より高濃度領域においては、異なる会合度の錯体の重水溶液に対し、2H NMRを測定したところ、重水の2H NMR信号が0から2 Hzまでの四極子分裂を示したことから、錯体の磁場配向を間接的に検出することに成功し、会合度によって錯体の磁場配向をコントロールできたことがわかった。さらに、錯体の会合体と共存させたタンパク質に対して磁場配向を誘起することに成功し、タンパク質の1H-15N結合のカップリング定数に数HzのRDCが上乗せされて観測された。以上、本研究により、錯体の会合度を濃度と温度で調整することで、その磁場配向を制御することができた。さらに、共存するタンパク質に対して、適度な時は以降を誘起してRDCを観測できることを見いだした。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Angewandte Chemie International Edition
Volume: 51 Issue: 24 Pages: 5893-5896
10.1002/anie.201201288
http://fujitalab.t.u-tokyo.ac.jp/