Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
本研究では、タンパク質の複合体形成や解離のメカニズムを、構成する原子の集団的自由度(モード)間のカップリングというコンセプトを踏まえて、従来よりも詳細なレベルで明らかにするシミュレーション手法を開発することを目指してきた。第1の研究成果として、分子シミュレーションを応用した構造変化を効率的にサンプリングする手法の開発と自由エネルギー地形計算に進展があったことがあげられる。開発した効率的にサンプリングする手法の1つがTransform and Relax Sampling (TRS)と呼ぶシミュレーション法である。この手法は、シミュレーション中にシステムにランダムな摂動を与えることで、タンパク質のソフトモードを励起するシミュレーション法である。この手法は、複合体形成・解離にカップリングすると思われるモードをタンパク質が持っている本質的に性質に注目することで効率的に抽出することを可能にしたものだと解釈できる。また、粗視化モデルと全原子モデルを組み合わせて効率的な超並列シミュレーションを行うMSFEL法を用いた自由エネルギー計算をいくつかのシステムで実行した。次に2つの状態間をつなぐトラジェクトリを生成するPaCS-MD の開発を進めた。これは完全に独立な複数のトラジェクトリからターゲット構造に近いものを選択するプロセスを繰り返すことで、システムにバイアスをかけることなしに2状態間を接続するトラジェクトリを生成するものである。このシミュレーション法はタンパク質のフォールディング・アンフォールディングやドメイン運動、更に複合体形成時の構造変化を研究するために有効であることが明らかになった。更にタンパク質が形成する複合体モデルを生成し、エネルギー計算からこれらを評価する手法を開発した。これ以外にも、本領域に参画することで、いくつかの重要な共同研究が生まれた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2013 2012 2011 Other
All Journal Article (9 results) (of which Peer Reviewed: 9 results) Presentation (29 results) (of which Invited: 2 results) Remarks (2 results)
Chem. Phys. Lett
Volume: 559 Pages: 94-98
10.1016/j.cplett.2012.12.063
Phys. Chem. Chem. Phys
Volume: 15 Issue: 10 Pages: 3646-3654
10.1039/c3cp42761g
Proteins
Volume: 81 Issue: 6 Pages: 1005-1016
10.1002/prot.24252
J. Chem. Phys
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10.1063/1.4768901
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10.1021/jp301100g
Journal of Chemical Theory and Computation
Volume: 8(1) Issue: 1 Pages: 290-299
10.1021/ct200363h
The Journal of Physical Chemistry B
Volume: 115(27) Issue: 27 Pages: 8806-8812
10.1021/jp2008623
The Journal of Chemical Physics
Volume: 135(4) Issue: 4 Pages: 45101-45114
10.1063/1.3613676
J Am Chem Soc
Volume: 133(34) Issue: 34 Pages: 13571-13576
10.1021/ja204451g
http://www.iam.u-tokyo.ac.jp/MolDes/