Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
1. 非経験的 pKa 計算法の開発: 高精度の QM/MM 相互作用の記述を達成するために、これまでの点電荷相互作用演算子を拡張し、多極子相互作用演算子を開発した。多極子は双極子及び四重極子まで取り入れて、水素結合の記述の改善を計った。また、近距離での遮蔽効果を取り込むために、近距離減衰関数を導入した。この関数系を用いて、様々な分子に対して電子密度による静電ポテンシャルや水中での水の動径分布関数の再現性を検討し、非常に良く再現できることを確認した。特に、アンモニアについては、遮蔽効果のみならず、多極子効果が水の動径分布関数の再現に必須であることが明らかになった。更に、この多極子相互作用演算子を QM/MM RWFE-SCF 法に導入し、精度の良い自由エネルギー構造最適化を開発した。その結果、水素結合などの指向性の高い配位による溶媒和構造を正確に記述することに成功した。また、本手法をタンパク質の pKa 計算に用いるため、リゾチームを対象とし、特異的な pKa を示すカルボン酸の自由エネルギー構造最適化を行った。2. 緑色蛍光タンパク質(GFP) の蛍光スペクトルと発色団の pKa の解析: GFP の光吸収及び蛍光スペクトルの不均一拡がりを QM/MM RWFE-SCF 法を用いて計算した。蛍光スペクトルの不均一拡がりの計算は、電子励起状態におけるタンパク質の構造サンプリングが必要なため、これまでのアプローチでは困難であったが、QM/MM RWFE-SCF 法で励起状態での自由エネルギー最適構造を決定し、最適構造でのタンパク質の揺らぎと振動構造からの寄与を計算することにより、高精度な計算が可能となった。この際、タンパク質の揺らぎに応答する電子状態の変化も、線形近似により考慮した。その結果、光吸収と蛍光スペクトルの拡がり幅の顕著な違いの分子起源を明らかにすることに成功した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2013 2012 2011
All Journal Article (7 results) (of which Peer Reviewed: 7 results) Presentation (12 results) (of which Invited: 6 results) Book (1 results)
Molecules
Volume: 18 Issue: 2 Pages: 1995-2004
10.3390/molecules18021995
Chemical Physics Letters
Volume: 556 Pages: 266-271
10.1016/j.cplett.2012.11.066
Journal of American Chemical Society
Volume: 134 Issue: 20 Pages: 8447-8454
10.1021/ja211027m
Journal of the American Chemical Society
Volume: 134 Issue: 16 Pages: 7045-7055
10.1021/ja212117m
Nature
Volume: 482 Issue: 7385 Pages: 369-374
10.1038/nature10870
Journal of Chemical Theory and Computation
Volume: 8 Issue: 1 Pages: 322-334
10.1021/ct2005837
Physical Chemistry Chemical Physics
Volume: 13 Issue: 23 Pages: 11118-11127
10.1039/c1cp20420c