Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
プロテアソームによる効果的な蛋白質の分解には、ポリユビキチン鎖に加えて、基質内の構造をとらないフラフラと揺らいだ領域(変性領域)が必要である。これまでに我々は、変性領域の性質が蛋白質のプロテアソームによる分解の受けやすさを決定することを明らかにした。本研究では、基質蛋白質の変性領域の性質を調節することにより、プロテアソームによる蛋白質分解を調節する手法の開発を目指した。まず蛋白質の分解は変性領域に結合する小分子によって阻害されるかを調べた。このために、二砒素蛍光試薬であるReAsHにより認識されるテトラシステインモチーフ(CCPGCC)を変性領域内に含むモデル基質を構築した。このモデル基質は ReAsH非存在下では変性領域がプロテアソームに認識され、分解されるのに対し、ReAsHの存在下では分解を逃れた。このことは ReAsHの結合により変性領域は分解を誘導しなくなることを示しており、変性領域リガンドによる分解の阻害が可能であることを示している。同様の分解阻害は、多くの天然変性蛋白質のプロテアソームによる分解においても観測されている。次に我々は、変性領域をもつ蛋白質をプロテアソームに運び込み、分解を誘導するアダプター蛋白質を開発した。ここではハンチントン病の原因となる異常伸長ポリグルタミンをもつ変異ハンチンチンをターゲットにし、異常伸長ポリグルタミンに結合するQBP1とポリユビキチンなどのプロテアソーム結合標識を融合した蛋白質をアダプターとして作成した。このようなアダプターは、変異異常ハンチンチンの分解を促進し、異常ハンチンチンの凝集体の形成を抑制した。よってこのようなアダプター蛋白質はポリグルタミン病の治療において有効であると考えられる。本実験のように変性領域に注目した分解誘導と阻害の方法は、特定の蛋白質の細胞内濃度を選択的に制御するための有用な戦略であると期待される。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
All 2013 2012 2011
All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 3 results) Presentation (6 results) (of which Invited: 2 results)
ACS Chemical Biology
Volume: 7 Issue: 8 Pages: 1444-1453
10.1021/cb3001155
Journal of Molecular Biology
Volume: 410 Issue: 2 Pages: 343-356
10.1016/j.jmb.2011.05.018
実験医学
Volume: 29 Pages: 2135-2138
Seibutsu Butsuri
Volume: 51 Issue: 6 Pages: 276-277
10.2142/biophys.51.276
10030038026