機能性色素レチナールの量子過程制御による新規視物質の設計
Publicly Offered Research
Project Area | Emergence of highly elaborated pai-space and its function |
Project/Area Number |
23108709
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
藤本 和宏 神戸大学, その他の研究科, 講師 (00511255)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2012: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2011: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 量子化学 / 生物物理 / 励起状態 / 生物・生体工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
①視覚を司るロドプシンとプロトンポンプ機能を有するバクテリオロドプシンはどちらもレチナールタンパク質によって構成されているが、それぞれの吸収波長は異なることが知られている。これらの吸収波長調節機構の起源に関する研究を行なった。以前の研究の中で、両者のタンパク質環境が形成する(古典力学的)静電ポテンシャルの違いが重要であることを明らかにしてきたが、本研究ではレチナール色素近傍のタンパク質環境を量子力学的に記述することにより、両者の量子効果の違いについて調べた。ここでは、励起状態の波動関数を局所励起と電荷移動、その他の三つに分類して解析した。その結果、ロドプシンではレチナールの局所励起のみが励起エネルギーの大きさに強く影響を与えていたのに対し、バクテリオロドプシンではレチナールの局所励起に加えてチロシンに関する電荷移動も励起エネルギーに大きく影響を与えることが分かった。これらの結果から、両者のタンパク質環境における量子効果の違いを明らかにすることに成功した。 ②励起エネルギー移動(EET)は植物の光合成に代表されるように生体内反応において広く用いられている現象である。フェルスター理論が発表されて以降、数多くの理論的研究が行われてきたが、電子的カップリング(光励起・脱励起に関わる電子の相互作用)の計算が可能な系しか研究対象とされてこなかった。以前の研究において遷移電子密度を用いた計算手法を考案してきたが、本研究では更にトランスファー積分と組み合わせた方法(TDFI-TI法)を考案することで従来の手法では計算できなかった系への適用を可能とした。また、本手法を用いて電子的カップリングに対する寄与を分割解析することに成功した。EETのより深い理解のため、今後はTDFI-TI法を様々な系へ適用する予定である。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)