Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
1)軸索/シナプス前領域におけるオートファゴソーム形成因子の同定カテプシンD欠損(CD-/-)マウス小脳のプルキンエ細胞について、オートファゴソーム形成に必須なLC3とAtg9Aの局在を免疫組織化学的に検討した。通常、LC3はびまん性の陽性反応として細胞体と樹状突起に、Atg9Aは細胞体と軸索/シナプス終末に見られるが、CD-/-マウスでは、粗大顆粒状の陽性反応として認められた。特に、両者とも、軸索では、Spheroidと呼ばれる腫大した部位に一致して顆粒状の陽性反応が集積していた。一方、リソソーム膜に局在するlamp1とトコンドリアATP合成酵素のサブユニットcの陽性反応は軸索には全く認められなかった。電顕的には、CD-/-マウスの軸索のspheroidには二重膜構造をもつオートファゴソーム様の構造物が蓄積し、終末部にも同様の構造が認められた。さらに、CDをプルキンエ細胞特異的に欠損させたマウスを解析しても同様の所見を認めた。これらの結果は、CD-/-マウスのプルキンエ細胞の軸索/終末では細胞体に戻る途中のオートファゴソームが蓄積していることを強く示唆している。2)得られたそれぞれのTGマウスのラインの選択Atg9AのTGマウスは最適なものを選定し、CD欠損マウスやParkin欠損マウスとの掛け合わせを開始している。また、Tom20やDFCP1については、高発現マウスの選定を進めている。3)初代培養神経細胞でのオートファゴソームの解析大脳皮質神経細胞の初代培養を行い、軸索の発達と共にAtg9Aやlamp1の局在を検討した。完全にTau1陽性になるとAtg9Aはsynaptophysinと共存するが、lamp1は軸索の発達と共に発現が消失することが分かってきた。現在、マウス脳からシナプス前分画を採取し、Atg因子の解析を進めている。
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
軸索/シナプス前領域におけるAtg因子の解析をカテプシンD欠損マウス脳で始め、軸索にはlamp1やカテプシンB陽性の顆粒がないことを、正常と異常、および初代培養神経細胞で確認した。トランスジェニックマウスは予定通り作成が進み、Atg9Aについては、カテプシンDやParkinを欠損するマウスと交配を開始している。
本研究の推進は、新学術領域研究(脳内環境)の計画研究班の一員として、"神経軸索におけるタンパク分解機構とその破綻"についての研究を通して実施する。既に、計画班員同士での共同研究も進めている。
All 2011
All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (6 results)
Proceedings of National Academy of Science U.S.A.
Volume: 108 Issue: 40 Pages: 16825-16830
10.1073/pnas.1108077108
Proc. Natl. Acad. Sci. USA
Volume: 108 Issue: 38 Pages: 15846-15851
10.1073/pnas.1109101108