有機化合物強相関電子系に対する第一原理有効模型構築:『物質差異』の定量化
Publicly Offered Research
Project Area | New Frontier in Materials Science Opened by Molecular Degrees of Freedom |
Project/Area Number |
23110708
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Science and Engineering
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology (2012) The University of Tokyo (2011) |
Principal Investigator |
中村 和磨 九州工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60525236)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2012: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2011: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 物性理論 / 有機導体 / 第一原理計算 / 低エネルギー有効模型 / 制限乱雑位相近似 / 最局在ワニエ関数 / 大規模並列化 / スピン液体 / k-BEDT-TTF / dmit塩 |
Outline of Annual Research Achievements |
第一原理乱雑位相近似計算に基づく光学スペクトル計算プログラムを作成した。とくに、低次元金属のスペクトルに対応可能なコードを作成した。低次元系金属では、低エネルギー領域 (1eV以下) において、プラズモン励起 (集団電荷励起) が低エネルギー素励起過程として出現することが実験的に知られている。この素励起のエネルギースケールは、バンド幅 (~1eV) に比べて小さいので、基底状態物性に大きく影響することが期待される。作成コードを用いて、代表的な有機化合物・擬一次元金属 (TMTSF)2PF6 の反射率を計算したところ、電場偏光をa軸に取った場合のプラズマ周波数は 1 eV、ab 面内でかつ a 軸に垂直な場合は 0.2 eVであり、実験を再現することが分かった。
これまで現象論的に導入されてきた有機導体の低エネルギー有効模型の定性的・定量的信頼性を第一原理計算の立場から評価することを試みた。代表的強相関電子系である \kappa-(BEDT-TTF)2Cu(NCS)2 と EtMe3Sb[Pd(dmit)2]2 に対して、多バンド模型と単一バンド模型の両方を導出した。多バンド模型から単一バンド模型に制限乱雑位相近似の範疇で縮約する際に無視されるバーテックス補正のオーダーを、「完全遮蔽クーロン相互作用 W」の「消去バンドのフェルミ準位からの距離D」に対する比 W/D として評価した。計算W/D値は0.4-0.5となり、通常単一バンド模型では考慮されない \kappa-(BEDT-TTF)2Cu(NCS)2のHOMO-結合バンドやEtMe3Sb[Pd(dmit)2]2のLUMO-結合および反結合バンドを介したバーテックス補正は無視できないことが分かった。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(20 results)