腫瘍神経細胞が無秩序に動き始める転移能獲得のメカニズム
Publicly Offered Research
Project Area | Cross-talk between moving cells and microenvironment as a basis of emerging order in multicellular systems |
Project/Area Number |
23111507
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
味岡 逸樹 東京医科歯科大学, 脳統合機能研究センター, 准教授 (10348790)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2012)
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Budget Amount *help |
¥9,230,000 (Direct Cost: ¥7,100,000、Indirect Cost: ¥2,130,000)
Fiscal Year 2012: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2011: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
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Keywords | 網膜 / 癌転移 / 網膜芽細胞腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
発生期に産み出された網膜神経細胞は、正しい場所へと配置され、秩序だった奇麗な層構造を形成する。網膜の小児がんである網膜芽細胞腫では、網膜細胞が増殖を繰り返した後に、特定の細胞層(一般的には内顆粒層)から脱して転移するが、無秩序に移動する能力の獲得メカニズム、すなわち、悪性化メカニズムはほとんど明らかにされていない。最近の研究によって、1)マウスRb-/-; p107+/-; p130-/-網膜では、分化した網膜水平細胞(抑制性神経細胞の1つ)が脱分化せずに増殖を繰り返し、その後、水平細胞に特徴的な性質を失って転移すること、2)発症初期に異なるタイプの網膜細胞が増殖しても、悪性化した網膜芽細胞腫は、未分化前駆細胞や特定の網膜神経細胞タイプの遺伝子発現様式を合わせ持つ「ハイブリッド型網膜細胞」になること、3)悪性化したヒト網膜芽細胞腫では、RB以外のゲノム変異はほとんど起きていないことが明らかになってきた。すなわち、網膜芽細胞腫の悪性化には、ゲノムレベルではなく、エピジェネティックな作用による「ハイブリッド型網膜細胞」への形質変化が重要だと考えられる。昨年度までの研究で、Wntシグナルの異常と形質変化との関連が示唆されたことから、本年度は、Rbファミリー欠損でプロモーター領域のヒストン修飾様式が変化する、Wntシグナル関連因子をスクリーニングした。その結果、Rbファミリーを欠損すると、癌転移と遺伝子発現上昇が相関することが知られているWntシグナル関連転写因子の遺伝子発現量が増加し、そのプロモーター領域のヒストンH3の4番目のリジン残基(H3K4)のトリメチル化が促進されていることが明らかとなった。H3K4のトリメチル化と遺伝子発現促進が相関していることが知られており、今後は、形質変化におけるその転写因子の役割と、Rbファミリーによる遺伝子発現調節機構の解明を進めて行く。
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Research Progress Status |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)