Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
自律的な秩序形成機構は生物の大きな特徴であり、発生や生物時計などの個体レベルだけでなく、細胞レベルでも見られる。白血球(好中球)や神経細胞の成長円錐などが示すアメーバ運動はその好例で、細胞は、外部の因子が無くても、自分の前後極性を自ら形成し、方向を決めて運動することができる。細胞内のシグナルを伝達する媒介として、最近、“力”が注目を集め始めている。我々は、細胞が這うために基質に及ぼす牽引力の反作用そのものがシグナルとなり、ミオシンⅡを介して、運動の前後極性を生み出している可能性を見いだした。本研究では、粘菌アメーバで、(1)基質牽引力の反作用の強い箇所にミオシンⅡが集積すること、(2)ミオシンⅡが集積した箇所では仮足形成が抑制されること(3)その結果細胞は牽引力の小さい方向に進むこと、(4)この前後極性形成にはミオシンⅡのATPaseは必要ないことを明らかにした。また、本研究の過程で、遊走細胞を基質から脱離すること無く、しかも顕微鏡下で観察しながら、直接エレクトロポレーション可能なエレクトロポレーターを開発した。細胞は基質さえあればアメーバ運動できるので、粘菌アメーバで発見されたこの基質牽引力に基づく前後極性形成機構はアメーバ運動の最も根本的な前後極性形成機構である可能性が高い。この機構は粘菌のみではなく他の細胞に見られる“普遍的な”機構ではないかと期待される。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Biophysical Journal
Volume: 104 Issue: 4 Pages: 748-758
10.1016/j.bpj.2013.01.005
細胞工学
Volume: 31 Pages: 1005-1010
PloS One
Volume: 6
120005350262
http://cellsystem.sci.yamaguchi-u.ac.jp/index.html
http://cellsystem.sci.yamaguchi-u.ac.jp/