Publicly Offered Research
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
器官は、その発生過程で上皮・間葉相互作用により時空間的に細胞の増殖分化、細胞運動が制御され、器官固有の形態が形成されると考えられている。本研究では、歯胚発生をモデルに、細胞の四次元的な動態解析を通して、器官形態形成の過程で細胞動態が時空間的に統合制御される仕組みとその制御分子を明らかにすることを目的とした。歯胚の発生では、上皮組織が間葉組織に陥入してダイナミックに形態が変化する。そこで、歯胚発生における三次元的な細胞動態を時空間的に可視化するため、H2B-EGFP/Fucciマウスを用いて、歯胚発生の細胞動態を共焦点顕微鏡によりライブイメージングを行い、歯胚の経時的な形態変化を三次元的な細胞位置情報より解析する四次元細胞動態解析法を開発した。本解析法より取得した上皮細胞の細胞動態情報をもとに、歯胚上皮組織の変形を数理解析したところ、歯胚形態変化と細胞の増殖・非増殖のパターンは相関し、歯胚中の部域依存的な差異の存在が明らかになった。特に、エナメルノット領域や歯堤領域は細胞増殖停止領域を形成して細胞の三次元的配置はほとんど変化しないのに対して、細胞増殖領域では細胞の分裂方向が制御されると共に、細胞移動距離が相対的に大きいことが判明した。細胞の運動や増殖、形態変化において細胞骨格が重要な役割を果たすことから、これらの領域での特異的局在を解析したところ、アクチン骨格の制御分子であるリン酸化型Cofilinが、発生段階を通して細胞増殖停止領域に局在することが明らかになった。この結果より歯胚上皮細胞の動態制御にCofilinが密接に関与していることが示唆された。以上の成果から、歯胚の形態形成では、細胞動態とアクチン骨格再編成の制御が密接に関与し、これらが統合的に制御されることにより、細胞動態の領域的な差異がうまれ、ダイナミックな形態変化が引き起こされることが示唆された。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (14 results) (of which Invited: 8 results) Remarks (2 results)
Nature Communications
Volume: 3(784) Issue: 1 Pages: 784-784
10.1038/ncomms1784
Scientific Reports
Volume: 2(424) Issue: 1 Pages: 424-424
10.1038/srep00424
http://www.tsuji-lab.com/
http://www.tsuji-lab.com/research/organ/design.html